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ゴールデンカムイ 感想

ゴールデンカムイ

愛するものはゴールデンカムイにみんな殺される。
全部お前の責任だぞ、ウイルク!!

最終巻読み終わった!感動作品!大円団でみんな答えが見つかって良かった。
この作品は、アイヌのための近代の神話かなつてのが感想。

私たちアイヌの生き方暮らし方大事なもの、豊かな自然と、カムイと文化、それを伝えてきた、これからも発展させていく人々の物語。自信と未来と夢を与える物語。

それの分かりやすくて楽しいアクション物語。

アイヌの文化はとても整理されて資料も多いけど、こんな物語はいままでなかった気がする。それを作ったのだからすごい。不敗の牛山とか海賊房太郎とかは神話のなかの命を捧げた英雄かな。もちろんアシリパは女神。

作者は、本当にたくさんアイヌのことも近代の日本史もロシアの歴史もよく調べたんだと思う。物語ももちろんだけど、巻末の監修がすごい。私もアイヌのことはあんまり知らなかったけど、とても勉強になったし、興味でた。

まだ帰属の場所だった北海道を舞台に、蝦夷共和国とか、極東連邦とか、日本かロシア、はたまたポーランド独立の道具かみたいな可能性があったけど、最後は日本の中に残ってアイヌの文化を伝えて発展させる道が残った。その道を据えたのが、アシリパ。

しかもアイヌだけでなくて、和人と一緒に、協力して進んで、どちらのためにもなる道を作った。土方も白石も、そして鶴見も。鶴見は、とてもアイヌを理解していた人物ではないかな。ゴールデンカムイ(黄金の神)は、アイヌの人々の心を動かさない。昔から黄金はアイヌの財宝ではなかったと。そしてアシリパが言うように、アイヌは文字もなく国もなかった。

でもそれが駄目なんではなくて、そういう文化を持ってきた。だから、アシリパは、最後にその文化に集中する道を選んだ。また、ゴールデンカムイに愛する人たちが殺されないように。またアイヌは人を殺さない文化だから。父のウイルクの失敗を繰り返さないために。

その選んだ道が、良かったか悪かったかは分からないけれど、その道を開いたというアイヌの物語であり、アイヌの文化に協力するという和人の物語でもある。しかも、キロランケら樺太アイヌも、ロシア人も、樺太の他の民族も出てきて、その人たちとの協力も教える物語だ。

だから、この物語のアシリパと杉元は、アイヌと和人の協力する行く方の象徴で、神話的に言えば、女神と男神の夫婦神みたい。 

いずれにせよ、とても面白かった。登場人物一人ひとりに物語があって、ほんとすごい。尾形もいい味出してる!
作者は物語を作る能力がすごいと思う。リスの脳みそも美味しそう。北海道に行ってみたくなった!






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