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退部

私は大学1年生から大学2年生の終わりまで部活をしていた。

ちょっと特殊な部活で「競技ダンス」をやる部活に入部。競技ダンスはわかりやすく言えば金スマでキンタローさんがやっていたあれ。

競技ダンスを題材にした漫画、アニメもあります。

本来なら現在も続けているはずだったのに退部をしました。結構前だけど。

私はダンス経験どころか運動部に所属した経験もなかったので退部理由の根底としては「実力不足」になるのだけれどいまだに引っかかったりイライラしたり納得できない部分があるので文章にしました。

私は入学式でみたキレイなドレス、派手なメイクをして踊る先輩を見て競技ダンス部に入部した。

私が所属していたのはまあまあ大きめの団体で同期の男女比は1:3くらいあった。(競技人口的に女性のほうが多い)私はそこでラテン専攻をしていた。2年生になった時にスタンダードとラテンに分けられる。私はラテンを専攻となったのでとてもうれしかった。その中には希望していた専攻にならなかった人もいた。


2年生の夏までに固定カップルというのを組むことになる。今までは部内の同期とローテーションで組んで踊っていたが今後は同じ人と踊ることになる。

2年生の夏までにできる努力を行った。けれど所詮大学生サークル。夏までの間に同期関係はドロドロし出す上に謎の確約を取る人たちもいた。安心を得てマウンティング、勘弁してほしい。

結果的に組めなかったのだけれど私の他にも組むことができなかった人は多数いた。組めなかった人は他大学の人と組むことになる。組むまでは今までのように練習もできなければ試合、2年生の夏以降に公式に着ることができるドレスも着られない。だけど週2で行う練習会には参加しなくてはいけない。

これがとてつもないストレスだった。

固定カップルが決まってすぐ、部内戦と呼ばれる試合があった。私は組めていないのでやることがない。でも何か仕事をしないと気がまぎれないと思ってとりあえず何か先輩の手伝いをしていた。組めた人たちはドレスを着て楽しそうに踊ってる。今までやっていたベーシックの動きではなくてバリエーションで踊っている。初ドレスとか言って写真を撮りまくる。それをインスタにあげる。同期全員で写真撮ろ~と言われた。みんなドレスでキレイな恰好。私含め他数名はスーツ、ああ気持ち悪いと思った。自業自得だといわれればその通りかもしれないけど私の他にも数人組めていない人がいる。そんな中で何がハッシュタグ初ドレスだ。何がこれからよろしくツーショットストーリーだ。即ミュートである。

気づかないふりをしてトイレで泣いた。こんな朝ドラヒロイン的行動を移すことができる自分にびっくりした。キャラじゃない。

ある試合の日の帰り、私含め三人で帰っていた。その日も私はスーツで彼女たちはドレスを持ち、髪は固めた状態だった。それだけでも劣等感がすごい。歩いていると1人が「私マイドレス買おうと思ってるんだけど○○どう思う?」と話しをしてきた。私ではなくもう一人に聞いてきた。ドレスは高価なのでレンタルする人も多いけれど学年が上がれば購入する人も多かった。

彼女は私に意見を求めるどころかいないものとして会話を進めていた。お前には必要ないだろうというマウンティングだと認識したい。「ドレスレンタルも高いじゃん?そろそろ買おうかなって~」「○○は買う予定あるの?」「みんなどこで買ってるのかな?」会話を振られた子は私を気にしてかあまり干渉して会話をしていなかったのだけれどこの出来事から私と周囲で明確に線引きされたと思った。私だってそんな彼氏の愚痴を言いつつ惚気みたいな贅沢な悩みが欲しい。選手になりたかった。

2年生の10月頃、私の学年は幹部と言われる学年となった。ここから一年間部の運営をしなくてはならない。私は役職はないと思っていた。しかし与えられたのは総務代表と広報、2つも与えられた。総務は女子がやるものだからと言ってお茶出しは女的な理不尽さで役職についた。基本的にOBOGに様々な連絡をするのが総務の仕事だった。広報はブログとか。

総務は数人で行っていて私が一応代表となっていた。メンバーには私をいないものとして会話をし出した女がいた。彼女の仕事はこれくらい。責任も全くなくいいご身分である。のうのうと練習をしていて羨ましい。私はマネージャーではなく選手になるために入部し高いお金を払っているんだ。

仕事内容は特に苦痛ではなかったけれど必ず部に顔を出さなくてはいけないのがしんどかった。かなり遠くに練習場があったため定期圏外の場所へ行って帰りは日付を超えるときもあった。だけど私には練習相手がいない。総務の話合いをしたいから集まってほしいといってもちょっと練習するから待ってといわれ1時間以上待たされる。私だって相手と練習がしたい。私は2時間かけてここへきて話合いしか確実な目的がない。選手になれる人が仕事をやればいいのに

一種の依存状態だったのかもしれない。部にいる時間が生活の中で圧倒的に多かったから部から離れる生活というのがイメージできなかった。けれど幹部になってから動悸が止まらなかったり些細なことで引っかかったりイライラするようになった。あんなに見るのも踊るのも好きなダンスを見るのがしんどくなった。シャッフル再生をしていた音楽プレイヤーからダンスの曲を聴くのが無理になった。カウントが合えばどんな曲もダンスに当てはめられるのだけど2年もやってると無意識にカウントを取っていることがある。気づいては自己嫌悪だった。この癖はまだ完全に抜けきれてない。

幹部の仕事を数か月やったけれど精神的にしんどくなったので春前に退部をした。結果退部した現在の方が充実した生活をしているし今の自分のほうがちょっとはマシな人間だと思う。トイレで泣くなんて私のキャラじゃない。

つい最近、たまたま部活の人と鉢合わせた。話を聴くと私が辞めた後4組ほどカップルを解消したらしい。所詮大学生サークルなんだ。

やっぱりこんなとこ辞めてよかった。



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