久しぶりに元彼に会って別れて正解だと思った話。
8月のとある日。
大学時代に付き合っていた人から連絡がきた。
「この日暇?九州帰るんだけど」
普段は関東に住んでいる彼。
九州に出張かなにかで来る用事でもあるのだろう。
よくよく記憶を遡ってみれば、Instagramのストーリーズで、頻繁に九州に来ていた。
特に、大学時代を共に過ごしたところへ。
「えー!九州いるの!?今度来た時はみんなで遊ぼうね☺️」なんてメッセージを送ったこともあった。
大学時代の共通の友人は数人、九州に残っている。
誘えば遊べるのである。
ともかく誘われたその日は、私は仕事であった。
スケジュールを聞いたら昼〜夕方しかあいていないというので、私は半休を取った。
会うのは実に3年振りである。貴重な有給も消化しようではないか。
しかし、彼が滞在するところまで行く時間はないため、お互いの中間地点で会うことにした。
彼に会う当日。
定時きっかりに退勤し、近くの人が少ないコンビニに車を停め、着替えと軽くメイクをした。
少し長めの運転になる為、ブラックコーヒーを買った。
彼の部屋はいつもブラックコーヒーの匂いがしていた。
私用には砂糖1杯だけ溶かしたコーヒーをいれてくれていた。
そんなことを思い出しながら、待ち合わせしていたご飯屋さんに向かう。
先に着いていた彼の姿を見つけると、全く変わらない笑顔で迎えてくれた。
懐かしい。
美味しい食事に舌鼓を打ち、会話に花が咲いた。
それとなく聞いてみた。
「なんで、最近九州帰ってきてるの?」
彼は少し目を泳がせながら小さな声で言った。
「彼女がいる。」
心のどこかで、何となく否定し続けていた可能性。
九州にいる彼女に会いに、彼は帰ってきていた。
全く未練はない。
もう別れて3年は経っている。
それだけど何だか、今の彼女の存在というのは、本当になんとなく聞きたくなくて。
彼女にはなんて言ってきてるの?
彼女には何も言われないの?
彼女いるのに元カノと会うの?
喉まででかかった言葉を飲み込んだ。
そして、
「この人は、彼女がいるのに以前の彼女と2人会う人」なのだと悟った。
付き合っていた頃、私が嫉妬深くてよく喧嘩していた。
元カノと2人で会わないで欲しいと付き合っていた頃から言っていた気がする。
彼は忘れてしまったのだろうか。
私は、彼と別れて、正解だなと思った。