第5回「吉川英治文庫賞」の候補作がすごすぎる!
今日(1月28日)、吉川英治文学新人賞と吉川英治文庫賞の候補作品が発表された。
吉川英治文学新人賞の候補作も非常に面白いのだが、ここでは「吉川英治文庫賞」について触れておきたい。
この賞は他の文学賞に比べてもかなり特殊な賞である。
対象期間に「5巻目以降」が発売された「シリーズ作品」が対象となる。出版社は複数に跨っていても「同シリーズ」とカウントされる。また、「吉川英治文学賞」受賞作家は対象から除外される、というルールもある。
なので、候補作品、受賞作品は「××シリーズ」に与えられるのだ。
今年が5回目なので、過去4シリーズが受賞している。
畠中恵「しゃばけ」シリーズ
今野敏「隠蔽捜査」シリーズ
有栖川有栖「火村英生」シリーズ
西村京太郎「十津川警部」シリーズ
この賞は選考委員もちょっと特殊で、文芸評論家などの識者のほかに、各出版社の文庫編集長と、書店関係者が選考委員を務めている。書店関係者は、講談社が運営する(正確には違うかも知れないけれど)「書店未来研究会」に所属している書店チェーンから、持ち回りで選考委員となるようだ。
今年、第5回に関わっていないので書いてもいいと思うが、私は、この第3回と第4回の「書店チェーン代表者」として選考委員を務めさせていただいていた。非常に貴重な経験をさせていただいた、と思っている。
ということで、今年は第三者的に見ることが出来るのだが、正直な感想を言うと、
「今年も選考委員、やりたかったなあ!」である。
候補シリーズが、もうすごいのだ。
https://yoshikawabunkoshou.kodansha.co.jp/
麻見和史「警視庁殺人分析班」シリーズ
石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ
今村翔吾「羽州ぼろ鳶組」シリーズ
上田秀人「百万石の留守居役」シリーズ
小川一水「天冥の標」シリーズ
小野不由美「十二国記」シリーズ
川瀬七緒「法医昆虫学捜査官」シリーズ
菊地秀行「吸血鬼ハンター」シリーズ
京極夏彦「百鬼夜行」シリーズ
黒川博行「疫病神」シリーズ
佐々木譲「道警」シリーズ
小路幸也「東京バンドワゴン」シリーズ
矢崎存美「ぶたぶた」シリーズ
山口恵以子「食堂のおばちゃん」シリーズ
米澤穂信「古典部」シリーズ
……なんですかこのオールスターキャスト!!
これだけの人気シリーズの新刊がこの一年間に出た、ということでもある。
「十二国記」という巨星があるけど、他のシリーズも引けを取らないと思う。十二国記と京極堂と疫病神と東京バンドワゴンとぶたぶたと古典部とIWGPと天冥の標と吸血鬼ハンターが一緒に並ぶなんて!
3月の発表が今から楽しみである。
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