宿題未提出者は親の理由書を持参するのがオーストラリアの学校スタイル。
先日、授業のアシスタントをしていると、生徒から手書きの文字が書かれた紙切れを渡された。そこには、宿題ができなかった理由と親のサインが書いてあった。
その時の授業の人数は25人で、宿題を提出したのは11人。そして、その理由書を提出したのは2人だった。
ちゃんと理由のある生徒とそうでない生徒が分かるようになっている。まぁ、詐欺ろうと思えば嘘は書けそうなんだけど。ただ、理由書の提出の有無よりも、私が伝えたいことは別にある。一つ目は、
なんらかの理由で宿題ができないことを説明できる機会が生徒たちに一応、均等に与えられていること。
そして二つ目は、
実は、宿題を提出することだけにだれも重きを置いていないこと。
親の理由書がない12人の未提出者はそれぞれ、先生に口頭で理由を伝えるのだが、その生徒たちを私のメンターであるジョンは全く怒らなかった。
いつまでに完成できそうなのか、今の進捗状況もしっかり確認し、それぞれにアドバイスやできているところの内容を褒めながら回っていく。
だから、生徒も先生に感情的になることはほとんどない。
個人的に、もし私が未提出の生徒だったら、先生に怒られると思ったのに優しいから、逆に申し訳なくなってちゃんと提出しようと素直に反省できる気もする。
この決まりは、先生のジョン曰く、オーストラリアの他の学校でも普通にあるらしい(笑)
今回、生徒の提出した宿題は、習った日本語を使って架空の学校の校則を作ったポスターで、3分の2くらいはアート作品!と思うほど試行錯誤されていて豪華だった。
日本語はめちゃくちゃ間違えているけど、それぞれの個性が凝縮されていて、面白がりながら作ったことがわかるポスターばかりで、先生のジョンも興奮していた。
普段先生から、○○=ダメ、と理由なく怒られることがあまりない生徒たちは、先生の評価軸で生きていない印象を抱く。怒られるから、褒められるから、という判断基準はもちろんあるけど、それよりも自分でしっかり考え表現することが先生の一番の要求であることを生徒は理解している。
しかし、この理由書の存在があったとしても、もしかしたら親に宿題未提出の理由書を書いてもらえるような環境でないかもしれないし、その他に難しい問題を抱えている生徒もいるかもしれない。
そんな生徒をサポートすることや見つけることはどこの学校でも難しいけれど、この制度があることで、それをなんらかの理由で行使できない生徒の理由にも注目できるという点においては、重要な役目を果たしていると思った。ジョン曰く、ほとんど言い訳らしい(笑)
ただ、宿題の提出ひとつにしても、生徒が一方的に叱られることがなく、きちんと理由を説明できる環境を学校や先生が確保してくれていることを、私としてはうらやましく思った。
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