夫源病からの逃避①

朝ごはんを作ることを手放した。数ヶ月前にここでnoteを書いてる仲間たちとのグループラインに「作品絵本の製作の受注が増えたら、それを理由に朝ごはん作るのをやめようかと思う。」と書いたら、みんなからの反応に驚く!「朝ごはんを作らない理由に『忙しくて時間がない』が必要なの?私なんて作ったことないけど。」3人ともこんな感覚だった。「えっ!私の感覚の方が特別なの???」でも、驚いたことにこのメンバーの中では私が異端らしい…(今でも世の中全部、少なくとも日本では私の感覚の方がメジャーなのでは?と、思っている。)

でも、その私が朝ごはんづくりを手放したのだ。画期的じゃない?7月をニュージーランドと福井の古民家で暮らした私、たっぷりの一人の時間も考える時間もあったけれど、自分のこれからの人生のことはなかなか整理できなかった。

話は変わるけれど、昨年の私はホリスティックヘルスの講座をオンライン上で受講していた。内容はなぜ日本の女性は生きづらいかということに切り込むような女性の幸福を追求するような講座だった。受講料は高かったけれど、切り口が新鮮で講座のあちこちでパラダイムシフトを感じさせられるような内容で、半年間で終了したのだが、内容をもっと深めたいと一緒に受講した仲間と復習会を開いている。8月1日の復習会の内容は「最悪のシナリオ」。自分の人生での最悪のシナリオを想定し、そこを掘っていくというワーク。実はその前の回もこれをやったのだけれど、私はある意味ポジティブなので、何か悪いことを想定しても、頭の中でクリアできてしまう。で、最悪のシナリオを想定できなかった。でも私はいつもぼんやりと闇の中にいるのだ。「なんで?」「なんで、何でもクリアできる私が何となく不幸なんだろう?」そのときの復習会で仲間は最悪のシナリオを掘っていくことで人生の最悪の状態から持ち直してきた(あくまで机上の空論)のを見て、私もやってみたいと心から思った。

次の復習会まで「最悪のシナリオ」を考え続けた。で、私の「最悪のシナリオ」は今の生活が続くことだと気づく。最悪のシナリオのワークは想定した状況を「そしたらどうなる?」ということを考え続けていくこと。で、やってみた。
今のままの生活が続く。家事のほとんどを私がこなし、夫はソファに寝転がってYouTubeサーフィンとパチンコの日々。
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私は夫との距離を取るべく、しょっちゅう旅行を繰り返した結果、おこづかいが少なくなってくる。
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夫が認知症を発症する。運転免許も返納する。私は夫の生活に縛られだす。
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夫の3食を準備したり、家事を全てこなしたり、とにかく夫と離れることのできない生活に疲弊する。
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心が疲れてしまい、家の中もどんどん整わなくなってくる。
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家も整っておらず、私もおもてなしもできないので、友人も娘家族も近づかなくなる。
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私は夫の死を願うようになる。
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私は哲学書や心を前向きにするアファメーションの言葉を取り入れようとするが言葉が心に届かない。
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心を落ち着けるために庭仕事の没頭する。夫の世話は最小限しかしない。
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家の前を通りかかった人たちが庭を褒めてくれる。
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お庭が整い始めたら、家の中も少しづつきれいになってくる。
    

もう少し続いたのだけれど、私は自分を元気にするグッズを既に持っていたと気づいた。庭仕事だけではなく、畑仕事に手仕事に読書に片づけに料理に私は支えられている。私には最悪のシナリオをクリアする力があるのだ。今まで、夫との生活をこのまま続けていくのは嫌だ、ここから逃げ出したいとずっと逃げることばかりを考えていたことに気づいた。私はずっとここにいても、最悪の状況がやってきてもクリアできるのだ。簡単だけれど、パラダイムシフトな視点。

私は夫に宣言した。「明日から朝ごはんを作るのをやめるわ。」当然のように夫は「なんで?」と聞いてきた。「ニュージーランドと福井で暮らしてみて、朝ごはんは自分の好きな時間に食べたいと思ったし、その方が一日を有効に使える。これまで朝ごはんは炭水化物・タンパク質・ビタミンが揃ったものを作ってきたけれど、それでは私がカロリーを取り過ぎるのよ。」と答える。大義名分がないと宣言できないところは私らしいし、「あなたの朝ごはん用には何を用意しておけばいい?」と聞いて、毎日、彼用の菓子パンを買ってきているのも私らしいけれど、私の朝は格段に自由になった。今は畑の草取りの時間がたっぷりとれるようになった。

私の人生は今いる場所から逃げなくてよくなった。これまで七転八倒しながら求め続けたものは煙のようになくなって、足元だけがしっかり見えてきた。今日、書道の先生のところに行くと「旅行に行ってきてよかったようですね。あなたがまとっていた闇のようなものが消えましたね。」と言われて驚く。私の新しい老後が始まったかもしれない。

これからも夫との関係を書いていってみようかと思う。過去・現在・未来と話が行ったり来たりすると思うけれど…


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