【2023年9月26日】オリックス・斎藤響介、「高卒新人プロ初登板初先発初勝利」を逃す
オリックス・バファローズの昨年ドラフト3位、高卒新人の斎藤響介が上出来の”デビュー”を果たした。
2022年のドラフト会議でオリックスから3位指名を受けて入団した斎藤響介は9月26日、本拠地・京セラドーム大阪での対埼玉西武ライオンズ戦でプロ初登板で初の先発マウンドに上がると、4回、73球を投げ、被安打2、3奪三振、2四球、2死球、無失点と好投した。
斎藤は0-0の4回でマウンドを降りたため、勝ち負けはつかなかった。
もし斎藤がリードを持ったまま5回以上を投げ切って勝利投手になっていれば、チームでは前身の阪急ブレーブスの三浦広之以来となる45年ぶりの快挙であった。
NPBでの高卒新人のプロ初登板・初先発・初勝利
NPBでは1965年のドラフト制度導入以降、高卒新人投手がプロ初登板・初先発で初勝利を挙げたのはわずか19人しかいない。
最近では、北海道日本ハムファイターズの吉田輝星が2019年6月12日、対広島カープ戦で高卒新人ながらプロ初登板・初先発で初勝利を挙げている。
高卒ルーキーで初先発初勝利を挙げても、NPB通算200勝に到達したのは、堀内恒夫の一人だけ。NPB通算100勝以上を挙げたのも、堀内恒夫以外に野村弘樹、松坂大輔、ダルビッシュ有の計4人だけである。
高卒新人のプロ初登板での初完封勝利はドラフト制度導入後3人だけ
高卒新人によるプロ初登板初先発での完封勝利は非常に難易度が高く、ドラフト制度導入以降は、1966年の森安敏明(東映フライヤーズ)、1987年の近藤真一(中日ドラゴンズ)、1988年の野村弘樹(横浜大洋ホエールズ)の3人しかいない。
そのうち、近藤真一は8月9日、ナゴヤ球場での対読売ジャイアンツ戦で、NPB史上唯一となる「プロ初登板でノーヒットノーラン」を達成している。
惜しかったのは2005年のダルビッシュ有(北海道日本ハムファイターズ)で、6月15日、札幌ドームでの対広島カープ戦で8回まで無失点に抑えていたが、続投した9回表に新井貴浩と野村謙二郎に2者連続本塁打を浴びて完封を逃し、9回一死で降板した。
高卒新人投手のプロ初登板・初先発・初勝利がないのは阪神、ヤクルトのみ
なお、現存する12球団で、高卒新人によるプロ初登板・初先発・初勝利を挙げた投手がいないのは、阪神とヤクルトである。
阪神ではあの江夏豊も、1967年4月13日のプロ初登板(川崎球場での対大洋ホエールズ)はリリーフでの登板であった。
2012年ドラフト1位指名で入団した藤浪晋太郎も、2013年3月31日の東京ヤクルトスワローズ戦(明治神宮野球場)でプロ初登板・初先発、6回を3安打2失点(自責点1)、7奪三振と好投したものの打線の援護がなく敗戦投手となった(なお、高卒新人の開幕3戦目での先発登板は、ドラフト制導入以降では開幕4戦目に先発した1999年の松坂大輔、2004年の涌井秀章(共に西武ライオンズ)を抜き史上最速となった)。
2010年ドラフト4位指名の岩本輝が2012年9月9日の対中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)にプロ初登板・初先発し、6回を2安打無失点で初勝利を挙げた。
阪神の高卒入団投手による一軍初登板・初先発・初勝利は、1951年の西村修以来、61年ぶり4人目となったが、岩本はプロ2年目であった。
2019年ドラフト1位指名で入団した西純矢は、2021年5月19日に対東京ヤクルトスワローズ戦(阪神甲子園球場)で一軍初登板・初先発で、5回を投げて無安打、1奪三振、4四球、無失点と好投し、プロ初勝利を手にしたが、西もプロ2年目。
ただし、阪神のドラフト1位の高卒投手が初登板初勝利を挙げるのは球団史上初、また阪神の10代投手が初登板・初先発・初勝利を挙げるのは、2012年の岩本輝以来6人目、ドラフト制以降では2人目の快挙であった。
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