セ・リーグ投手/累積投球数トップ10(2020-2024年)

NPBの2024年のシーズンは、セントラル・リーグは読売ジャイアンツが、パシフィック・リーグは福岡ソフトバンクホークスが共に4年ぶりのリーグ優勝を果たし、日本シリーズはリーグ3位から横浜DeNAベイスターズがクライマックスシリーズを突破した勢いをそのままに、ホークスを4勝2敗で下し、実に1998年以来となる日本シリーズ制覇を成し遂げた。

NPBの2024年のレギュラーシーズンを終え、両リーグの投手・打撃部門の個人タイトルが確定し、ベストナインの選出、最優秀選手、新人王、ゴールデングラブ賞などの各賞の発表を終えたが、次は独自の時点で、個人の成績、結果を振り返ってみたい。

まずは、2024年のレギュラーシーズン公式戦で、先発投手たちがシーズンでどれだけ投球したかをランキングにしてみよう。

先発投手のシーズン投球数は、投球回数と並んで、その投手が先発ローテーションをどれだけ守ったかの証でもある。

そして、それを複数年に渡って継続できるか、大きな故障なくシーズンを過ごしたかどうかは、チームへの「貢献度」を表すものである。

一方で、その数値は、その投手の「酷使度」や、将来の故障の発生を予見するバロメーターにもなる。

NPBの2013年以降のシーズンで、セ・リーグの投手でそのシーズンで最も多く投球数を記録したトップ5は以下の通りである。

中でも2020年以降、2024年までの5シーズンで、累積で投球数が多い投手を並べてみた。

先発投手が勝利数、防御率、奪三振数などタイトル表彰されるような数字以外での「評価」や「貢献度」がわかり、いわば、そのチームにとって「エース」の評価を与えられる投手は誰だろうか。


10位 小川泰弘(東京ヤクルトスワローズ)9552球

小川泰弘は創価大学から2012年ドラフトで東京ヤクルトスワローズから2位指名を受け入団、2013年はいきなり16勝を挙げてセ・リーグ新人王を受賞。スワローズを代表するエースとしてこれまで通算104勝を挙げているが、2024年は開幕から上半身のコンディション不良で出遅れた。
4月26日の阪神タイガース戦(甲子園球場)、シーズン初登板で初勝利を挙げたが、その後、勝ち星に恵まれず、7月5日、神宮球場での巨人戦で5回5失点でノックアウトを食らうと、登録抹消。8月12日、神宮球場での中日戦で、自身、神宮球場での通算50勝を懸けて先発マウンドに上がったが、6回3失点で再び登録抹消。9月16日、甲子園球場での阪神戦で復帰したが、勝ち星に恵まれないままシーズンを終えた。
2024年のシーズンは登板12試合も、2勝も、投じた1007球もプロ入り12年間で最低だった。
2013年のデビューから最初の5年でシーズン2600球以上を投げたのが3度、プロ入り12年間でシーズン2000球以上が8度と、長年の勤続疲労が成績に影響を及ぼしつつあるのかもしれない。

9位 青柳晃洋(阪神タイガース) 9786球

青柳晃洋は帝京大学から2015年ドラフトで阪神タイガースから5位指名を受け入団した。
変則サイドスローで制球難に悩む時期も長かったが、大卒プロ6年目の2021年、6月に自身初となる月間MVPを受賞すると、「東京五輪2020」の野球の日本代表に選出され、リーグ最速かつ自身初となる2桁勝利を達成、25試合に登板して、13勝6敗(勝利数はリーグ1位タイ)、防御率2.48(同2位)、勝率.684(同1位)といずれもキャリアハイで、共に自身初となる「最多勝利」、「最高勝率」のタイトルを獲得した。

2022年も快進撃は続き、NPB史上2人目の交流戦「防御率0.00」(2015年のランディ・メッセンジャー以来2人目)、両リーグ最速となる10勝目を挙げ、24試合に登板、13勝4敗(勝利数はリーグ1位)、防御率2.05(同1位)、勝率.765(同1位)を記録(阪神では若林忠志(1944年)、井川慶(2003年)に続いて球団史上3人目となる「投手三冠」を達成)、自身初のベストナインに選出された。また、2年連続で「最多勝」と「最高勝率」を同時に獲得するのは、オリックス山本由伸と共にNPB史上初という快挙を達成した。

これで阪神を代表するエースになるかと思われたが、岡田彰布監督就任1年目の2023年は自身初の開幕投手に抜擢されるも、前半戦は苦しみ、2か月の登録抹消を味わった。後半、5連勝と持ち直したが規定投球回数に到達せず、18試合に登板、防御率4.57で8勝どまり。
2024年も2年連続で開幕投手を務めたが、勝ち星に恵まれずに5月31日のロッテ戦での登板を最後に登録抹消され、二軍での調整を余儀なくされた。
9月10日に甲子園でのDeNA戦で復帰、今季2勝目を挙げたが、結局、12試合に登板、防御率3.69、わずか2勝に終わった。

青柳晃洋は2019年以降、シーズン1950球以上を4年連続で続け、リーグを代表する投手となったものの、この2年の低迷ぶりはやはり登板過多の影響は否定できない。
来季はポスティングを利用したメジャー移籍を希望しているが、2023年、2024年は一軍でそれぞれ1677球、1104球とそれほど投じていないため、環境を変えて万全な態勢でメジャーのマウンドに上がることができれば、青柳本来の実力を発揮できる可能性はある。

8位 菅野智之(読売ジャイアンツ)9810球

菅野智之は2012年ドラフトで読売ジャイアンツから1位指名を受け入団。
巨人のみならず、21世紀のNPBを代表する押しも押されもせぬ大エースだが、昨季2023年は右肘の張りから開幕二軍スタートとなり、6月11日にシーズン初登板を果たすも、わずか14試合の登板で、4勝8敗、防御率3.36と低迷、34歳という年齢も相俟って「限界説」も囁かれた。

しかし、背水の陣で臨んだ2024年は開幕から5連勝と好調を維持し、2年ぶり9度目となる二桁勝利をマーク、終わってみれば15勝3敗、防御率1.69、35歳以上のシーズンでの15勝は巨人では1955年の中尾碩志以来、69年ぶり、35歳以上のシーズンでの防御率1点台はNPBが2リーグ分立後初で、1944年の1リーグ時代の若林忠志(大阪タイガース)以来、80年ぶりという快挙を達成し、巨人の4年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

菅野はセ・リーグのベストナイン投手部門で5度目の受賞(1996年の斎藤雅樹以来、28年ぶりで、稲尾和久、山田久志、斎藤雅樹に並ぶNPB歴代2位タイ、斎藤雅樹と並ぶセ・リーグ投手最多タイ記録)で、さらに自身4年ぶり3度目となる、セ・リーグの最優秀選手(シーズンMVP)を受賞した(投手の3度の受賞は2023年の山本由伸以来、山田久志、山本由伸と並ぶNPB投手史上3人目。また、35歳での最優秀選手の受賞はセ・リーグ投手最年長新記録で、1956年に34歳で受賞した別所毅彦のセ・リーグ投手最年長記録を68年ぶりに更新)。

菅野智之は2013年のデビュー以来、レギュラーシーズンの投球数が2000球を下回ったシーズンが2021年と2023年の2度しかない。
これに匹敵するのは2012年ドラフト同期入団で、2013年にセ・リーグ新人王を争った小川泰弘(東京ヤクルトスワローズ)くらいしか見当たらない。
まさに驚異的な心身のタフさと、調整力といってよいだろう。

菅野智之は今季終了後、海外FA権を行使して来季、米MLBに移籍することを公表した。菅野は2020年オフにもポスティングを利用してMLB移籍を模索したが、コロナ禍の状況下で条件面で合意できず、一転、巨人に残留していた。
今年10月に35歳を迎えたばかりだが、これまでの実績と今季の成績でMLBからも先発投手としての評価は低くない。
NPB通算136勝の右腕は「捲土重来」なるか。

7位 小笠原慎之介(中日ドラゴンズ)9949球

小笠原慎之介は東海大相模高校から2015年のドラフトで中日ドラゴンズから1位指名を受けて入団した。
新人から一軍で先発として登板し、2019年は左肩痛で7試合、2020年は不振で4試合の登板に留まったが、プロ6年目の2021年に自身初の規定投球回数に到達、リーグ6位となる防御率3.64を記録、2020年には自身初の二けた勝利を挙げ、リーグ6位の防御率2.76を記録。
2021年から2024年まで4年連続で規定投球回数をクリアするなど先発ローテーションを守り続けてきた。
しかしながら援護に恵まれず、2024年も先発した24試合で登板中に援護点がゼロだった試合が11試合、援護点が1点だった試合が5試合、援護点が4点以上だった試合がわずか2試合という状況で、5勝11敗と勝ち星を稼ぐことができなかった。
小笠原は来季、ポスティング制度を活用して米MLBへの移籍を希望しており、NPBでは通算9年で161試合登板、46勝65敗、防御率3.62という成績だが、同じ左腕の今永昇太のMLBでの活躍もあり、今永よりも若い小笠原にも一定の評価・需要があると思われる。

6位 大瀬良大地(広島東洋カープ)10137球

大瀬良大地は九州共立大学から2013年ドラフト1位で広島カープに入団すると、大卒新人として2014年にいきなり先発ローテーション入りし、26試合登板、10勝8敗、防御率4.05でセ・リーグ新人王を獲得した。
翌2014年途中からチーム事情でリリーフに廻ったが、2017年に先発に本格的に復帰、2017年には10勝、2018年にはセ・リーグ最多勝となる15勝を挙げて、広島のリーグ3連覇に貢献した。
2019年から3年連続で開幕投手を務め、2019年には3年連続シーズン二桁勝利、2021年には自身5度目の二桁勝利をマークしたが、2022年には8勝どまり、2023年も6勝11敗と負け越し、2年連続で規定投球回数に未達となり、「エース陥落」ともいえる投球内容だった。

2024年は援護に恵まれず、6勝どまりであったが、シュートを多用することで投球の幅が増え、被本塁打を減らすことで復活を果たした。
6月7日、千葉ロッテマリーンズ戦でNPB史上90人目のノーヒットノーランを達成(広島投手としては2012年の前田健太以来12年ぶり、マツダスタジアムでのノーヒットノーラン達成は初めて)、交流戦では計3試合23イニングを自責点0に抑え、球団史上初となる交流戦防御率0.00を達成、6月には自身3度目の月間MVP受賞、7月6日まで37回1/3連続無失点、8月8日までシーズン防御率0点台という好成績を収め、防御率1.86はリーグ4位であった。

大瀬良大地は2017年以降、シーズン2100球以下を下回ったシーズンは2020年だけである。
2020年は右肘の不調でオフにクリーニング手術を受け、2023年にもオフに右肘の手術を受けるなど、満身創痍だが、34歳を迎える来季も広島を支えるベテランエースとしてまだまだ先発ローテーションを支えることを期待されている。

5位 西勇輝(阪神タイガース)10432球

西勇輝は三重県立菰野高校から2008年ドラフトでオリックス・バファローズから3位指名を受け入団。
高卒3年目の2011年から先発ローテーション入り、自身初の二けた勝利をマーク、2012年にはノーヒットノーランを達成するなど、オリックス在籍の10年間で3年連続を含む二桁勝利5度、74勝を挙げ、2018年オフに国内FA権を利用して阪神タイガースに移籍、4年総額10億円の契約を結んだ。

阪神に移籍後の2019年にも10勝、2020年には3年連続、7度目の二桁勝利、2021年にはNPB通算100勝、2022年には防御率2.18でセ・リーグ2位と着実に成績を残し、オフには新たに4年総額12億円の大型契約を結んだ。

阪神がリーグ優勝・日本一を果たした2023年は夏に不調で登録抹消されるなど規定投球回に届かず、2024年も2年連続で規定投球回には達せず、防御率2.24ながら6勝に終わったが、NPB史上94人目となる通算2000イニングをマークした。

西勇輝はプロ入り後、目立った故障もなく、コンスタントに先発ローテーションを守っていることのみならず、16年のプロ生活で規定投球回に到達したシーズンが9度、そのうちシーズン防御率がリーグ5位以内に入ったシーズンが6度あり、首脳陣からすれば計算が立つ投手の一人である。
NPB通算124勝の右腕は今年11月に34歳になったばかりだが、息の長い投手になる可能性は高い。

4位 柳裕也(中日ドラゴンズ)10569球

柳裕也は明治大学から2016年のドラフトで中日ドラゴンズから1位指名を受け入団。
入団3年目の2019年、自身初の規定投球回に到達、二桁勝利をマーク。
2021年には11勝6敗、防御率2.21で自身初のタイトルとなる最優秀防御率、最多奪三振、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、最優秀バッテリー賞に選出されるなど、セ・リーグを代表する先発のエースとなり年俸も1億円となった。

2022年には防御率3.64、9勝11敗と負け越し、2023年は8月13日のバンテリンドームの広島戦で9回まで無安打無得点に抑える好投を見せるなど、打線の援護に恵まれず4勝11敗と大きく負け越し、本拠地バンテリンドームでは未勝利で終わったが、防御率2.44、年俸は1億4800万円(推定)にアップ。
2024年は自身初の開幕投手を務めたが、好不調の波が激しく、6月16日の登板を最後に登録抹消となり、8月24日の巨人戦で2か月ぶりに一軍登板を果たしたが、結局、13試合で4勝5敗、防御率3.76の成績に終わった。

柳は2019年には2800球、2021年から3年連続で2100球から2400球前後を投じてきたが、特に故障は見られなかった。
来季2025年は髙橋宏斗らと先発の柱としてフル回転が期待される。

3位 九里亜蓮(広島東洋カープ)11716球

九里亜蓮は亜細亜大学から2013年ドラフトで広島から2位指名を受け入団。
2014年はドラフト1位指名の大瀬良大地と共に開幕ローテーション入りを果たし、20試合に登板、うち16試合に先発するも、わずか2勝どまりに終わった。
プロ4年目の2017年に先発・中継ぎでブレイクし、自己最多の9勝を挙げ、広島のリーグ2連覇、2018年も8勝を挙げてリーグ3連覇に貢献したが、2021年まで3年連続でシーズン8勝どまり、規定投球回にも達していなかった。
2021年は自身初の規定投球回に達し、リーグトップの13勝で自身初のタイトルを獲得、オフに3年総額6億5000万円の大型契約(年俸1億4000万円と出来高、再契約金1億円を含む)を結んだ。
2022年は規定投球回にわずかに届かず、援護にも恵まれず6勝9敗に終わり、2023年はリーグ最多投球回となる174回1/3、リーグ8位となる防御率2.53をマークしたが、勝ち星に恵まれず8勝8敗。
2024年は自身初の開幕投手に抜擢されたが、またも援護に恵まれず開幕から登板した8試合で勝ち星がなく(うち5試合で登板中の援護点がゼロ)、5月7勝10敗と負け越し、規定投球回に届かなかった。

九里亜蓮は今オフに海外FA権を行使してMLB移籍を表明している。
NPBで2017年以降、毎シーズン2000球から多い時で2600球以上を投じており、故障とはほぼ無縁であることが、MLBからも、「シーズンを通して先発ローテーションを守れる投手」という評価につながると思われる。

2位 森下暢仁(広島東洋カープ)11835球

森下暢仁は明治大学から2019年ドラフトで広島から1位指名を受け入団。
2020年、開幕ローテーション入りすると、すべて先発で18試合に登板し、規定投球回に到達、10勝3敗(勝利数はリーグ5位タイ)、防御率1.91(同2位)、124奪三振(同3位)、勝率.769(同2位)で、いずれもチームトップ。推定年俸4300万円(2700万円増)、広島では2014年の大瀬良大地以来となるセ・リーグ新人王に選出された。
2021年には「東京五輪2020」で復活した野球の日本代表に選出され、金メダル獲得にも貢献した。
プロ3年目の2022年にはリーグ最多となる投球回数(178回2/3)・先発登板数(27)で10勝(8敗)を挙げ、球団最速となる年俸1億円突破(1億1000万円)を果たした。
2024年も、自身3度目となるシーズン二桁勝利をマーク、10勝10敗、リーグ8位となる防御率2.55という成績だった。

森下は2020年、新人にもかかわらず18試合で2020球を投じ、シーズン投球数はリーグ5位に入った。2013年以降、セ・リーグの新人投手で、リーグ5位以内に入ったのは森下暢仁だけである。
2022年もリーグトップとなる2835球を投じたが、その代償か、オフに右肘痛が発覚、右肘関節鏡視下骨棘切除、右肘関節内滑膜切除の手術を受け、WBCの日本代表選出は叶わず、2023年シーズン開幕も右肘の違和感で出遅れた。
近年は新人時代の成績を超えるものはなく、シーズン中も好調時と不調時に差があり、大量失点でノックアウトされることもあるが、2020年のデビューから5年間、シーズン2000球を下回ったことがない。
森下の存在はチームとしては、確実に計算できるエースの筆頭であるが、過度の依存は故障を誘発しかねず、来季は多少、余裕を持った起用も必要であろう。

1位 戸郷翔征(読売ジャイアンツ)12747球

戸郷翔征は宮崎県の聖心ウルスラ学園高校から2018年ドラフトで読売ジャイアンツから6位指名を受けて入団。
新人1年目の2010年9月21日、セ・リーグ優勝が懸かった対横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)でプロ一軍初登板・初先発を果たし、クライマックスシリーズでも初先発、日本シリーズでもリリーフでマウンドに上がった。
2020年は高卒2年目での開幕ローテーション入り(球団では1987年の桑田真澄以来、33年ぶり)を果たし、チーム2位の9勝を挙げ、防御率2.76とリーグ連覇に貢献、日本シリーズでもリリーフで3試合に登板し、敢闘選手賞を受賞した。新人王は逃すも、新人特別賞を受賞。
2021年は2年連続で二けた勝利を逃したが、9勝を挙げリーグトップの先発登板数(26試合)で自身初の規定投球回に到達した。
2022年はリーグ2位となる12勝、リーグトップの154奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得、年俸9000万円にアップした。2023年もリーグ2位の12勝、リーグ4位の防御率2.38をマークし、年俸は倍増の1億8000万円となった(高卒6年目の投手での年俸1億円突破はチーム歴代最速)。

2024年は自身初の開幕投手を務め、勝利投手となり、5月24日の阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)では、NPB史上89人目(101度目)、球団史上13人目(17度目)となるノーヒットノーランを達成した。
8月には2試合連続完封勝利を挙げ、9月は4試合で防御率0.32と好調で、月間MVPを獲得した。12勝8敗、リーグ5位の防御率1.95となった。

戸郷は2000年生まれの世代では断トツとなる122試合、55勝を挙げており、ドラフト6位指名にもかかわらず、同世代のトップを走っている。
だが、2021年から4年連続でシーズン2500球以上、特に2023年、2024年とリーグトップの投球数を投じており、早くも勤続疲労が懸念される。
特に2024年はレギュラーシーズン、クライマックスシリーズ、そしてプレミア12とフル回転していた。
プレミア12決勝戦の対台湾戦(東京ドーム)では、戸郷は先発に指名されたが、台湾打線を4回まで無失点に抑えながら、5回に先制のソロ本塁打とダメ押しの3ラン本塁打を浴びてしまった。
結局、日本代表はそのまま敗れて大会2連覇を逃したが、戸郷を責める声はほとんど聞こえてこなかった。

巨人は来季、大エースの菅野智之がチームを去り、若きエースの戸郷の両肩にのしかかる責任はますます重くなるだろう。先発ローテーションは戸郷を軸にせざるを得ないが、「戸郷頼み」になってしまうと苦しい戦いになりそうである。




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