広島・栗林良吏、日本人投手最速タイのNPB通算100セーブ到達
広島カープの栗林良吏がNPB通算100セーブに到達した。
5月26日、横浜スタジアムでの対横浜DeNAベイスターズ戦、広島が4-2で迎えた9回裏、広島の4番手として栗林良吏がマウンドに上がると、1イニングを被安打1、無失点に抑え、今季14セーブ目を挙げた。
これが、栗林良吏にとってNPB通算100セーブ目となった。
栗林良吏の通算100セーブ到達は登板試合数で日本人最速タイ
栗林良吏のNPB通算100セーブは史上36人目の達成となるが、日本人投手として登板178試合での通算100セーブ到達は、馬原孝浩(元ソフトバンク)と並ぶ最速タイ(NPB史上最速は中日・ギャラードの148試合)。
入団4年目での到達は、日本人ではDeNA・山崎康晃に次いで、NPB史上2人目の快挙となった。
救援登板数でみた日本人最速100セーブ到達は?
栗林良吏は2021年のシーズンに新人で初登板以来、登板した178試合はすべてリリーフである。
では、先発登板を除いた登板試合数でみると日本人最速はどうなるか?
馬原孝浩はソフトバンクに入団して2年目の2005年に本格的にクローザーに転向、2008年10月6日に通算100セーブに到達しているが、それまでにかかった登板178試合のうち、先発登板が14試合あったため、救援登板のみでは164試合で通算100セーブに到達していた。
2007年に38セーブで、パ・リーグの最優秀救援投手のタイトルを獲得している。
豊田清は西武ライオンズに入団して最初の8年は先発要員であり、シーズン二けた勝利を2度、記録していた。
クローザーに転向したのは入団8年目の2000年シーズン途中からである。
2003年8月29日、自身登板250試合目で通算100セーブに到達しているが、その時点での先発登板82試合を除くと、168試合で到達していたことになる。
豊田は2002年・2003年と2年連続で、パ・リーグの最優秀救援投手のタイトルを獲得している。
それを加味すると、栗林良吏の178試合はNPB史上3番目の速さとなる。
「最優秀救援投手」のタイトルをまだ手にしていない栗林
栗林良吏は2021年に新人でいきなり37セーブを挙げ、山崎康晃と並ぶ新人シーズン最多セーブ記録に並んだ。
翌2022年も新人から2年連続でシーズン30セーブ以上を挙げ、やはり山崎康晃の記録と並んだ。
2023年は開幕前にWBCの日本代表メンバーに選出されたものの、腰の張りによって途中離脱し、レギュラーシーズンに入ってからも不調が続くと、5月には右内転筋筋挫傷でプロ入り後、自身初めて出場登録を抹消された。
復帰後はセットアッパーとしての起用が主で、夏以降、クローザーは矢崎拓也との併用で起用されたため、自己最多の55試合に登板したものの、18セーブに留まったが、15ホールドを挙げ、チームの5年ぶりとなるクライマックスシリーズ進出には貢献した。
今季2024年は開幕からクローザーを務め、この試合を含め22試合に登板し、0勝1敗、14セーブ、5ホールド、防御率0.44と好調を維持している。
しかしながら、栗林はリーグでシーズン最多セーブを記録したことはまだなく、「最優秀救援投手」のタイトルを手にしていない。
広島の優勝にはクローザー・栗林の活躍が不可欠であり、今季はチームの優勝と自身の最優秀救援投手のタイトルの両獲りを目指したい。