巨人、「スミ1安打完封リレー」(NPB史上5度目)

9月5日、岐阜長良川球場で行われた読売ジャイアンツ対東京ヤクルトスワローズ戦は、巨人先発の戸郷翔征が中4日でマウンドに上がり、1回表、ヤクルトの1番・西川遥輝にライト前ヒットを浴びたが、その後、7回まで投げ、四球と死球の走者2人を出したのみで、無失点に抑える好投を見せると、2番手のカイル・ケラー、3番手の大勢もパーフェクトな投球を見せ、巨人が岡本和真の今季22号3ラン本塁打の活躍もあり、3対0でヤクルトに勝利した。
戸郷は今季10勝目を挙げ、3年連続でシーズン二桁勝利に到達した。

「初回先頭打者1安打のみの完封勝利リレー」はNPB史上4度目

NPBの公式戦で、先発投手が初回、相手チームの先頭打者に安打を許しただけでその後、複数の投手による継投で完封勝利を収めたチームは、1972年の阪神タイガース(上田二朗ー谷村智博ー山本和行)、1993年の近鉄バファローズ(野茂英雄ー佐野重樹)、2002年の西武ライオンズ(潮崎哲也ー森慎二ー豊田清)、そして今季2024年の広島カープ(大瀬良大地ー森浦大輔ー塹江敦也ー松本竜也)以来、今回の読売ジャイアンツがNPB史上5度目の快挙となった。

「初回先頭打者1安打のみの完封勝利投手」は12人


NPBの公式戦で、先発投手が初回の先頭打者に安打を許しただけで完封勝利を収めた、いわゆる「スミ1安打完封勝利」は過去12度ある。


第1号は東京巨人軍の投手・諏訪裕良(のちの高野裕良)で、1946年7月22日、後楽園球場で行われた対ゴールドスター戦で、初回、ゴールドスターの先頭打者の中村新一に安打を許して以降、6四死球を与えながら、127球で9回を投げ切り、完封勝利を挙げた。


小山正明は「先頭打者」「最後の打者」にのみ安打を許してノーヒットノーランを2度、逃す

第2号は大阪タイガースの小山正明で、1956年6月6日、対大洋ホエールズ戦で先頭打者の沖山光利に安打を打たれたが、その後、27人の打者を連続でアウトに打ち取り、いわゆる「準完全試合」で完封勝利を挙げた。

なお、小山は東京オリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)に移籍後、1965年7月15日、東京スタジアムで行われた対阪急ブレーブス戦では、9回2死まで無安打に抑えてきたが、最後にウインディにセンター前に落ちるヒットを浴び、ノーヒットノーランを逃している。


NPBの長い歴史の中で、先頭打者に安打を許したが、その1安打だけで抑えてノーヒットノーランを逃し、9回2死から安打を許してノーヒットノーランを逃した投手は、小山正明ひとりだけである。


「スミ1安打完封勝利投手」でノーヒットノーラン達成は3人だけ

なお、この12人の中で、ノーヒットノーラン達成したことがあるのは、金田正一(国鉄スワローズ)、藤本隆宏(広島カープ)、外木場義郎(広島カープ)の3人だけである。
金田正一は完全試合を含め2度、外木場義郎も完全試合を含め3度、ノーヒットノーランを達成している。

なお、継投による「スミ1安打完封勝利リレー」の先発投手のうち、大瀬良大地(広島カープ)戸郷翔征(読売ジャイアンツ)は、今季、自身初のノーヒットノーラン達成したばかりである。

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