巨人・岸田行倫、NPB通算149本目の「代打サヨナラホームラン」
読売ジャイアンツの岸田行倫が自らもビックリの一発を放った。
6月30日、東京ドームで行われた対阪神タイガース戦、1-1の同点で迎えた延長10回裏、二死走者無しの場面で、9番・投手・高梨雄平に代わり、代打・岸田行倫がコールされた。
岸田は阪神4番手・加治屋蓮がカウント1-0から投じた2球目、外角のカットボールを叩くと打球は右中間に伸び、ジャイアンツのファンが待つライトスタンドに飛び込んだ。
岸田は報徳学園、大阪ガスを経て2017年オフに読売ジャイアンツからドラフト2位指名を受けて捕手として入団、2019年8月に一軍で初出場したが、プロ1号ホームランは2020年10月31日、対東京ヤクルトスワローズ戦(東京ドーム)、6回裏に長谷川宙輝から左中間へ放ったソロの一発だった。
岸田はそれ以降、ホームランはなく、プロ入り125打席目、3年ぶりに放ったプロ2本目の一発が、チームの連敗を「3」で止める、値千金のサヨナラホームランとなった。
「代打サヨナラホームラン」はNPB通算149本目、巨人の選手では通算17本目
NPBで「代打サヨナラホームラン」は岸田で149本目となった。
読売ジャイアンツの選手としては現存する12球団最多となる15人目(17本目)である。
巨人の捕手による代打サヨナラホームランは1994年の大久保博元以来、2人目。
NPB全体では2016年以降でみると「代打サヨナラホームラン」は岸田で13本目である。
2016年は0本、2017年は5本、2018年は3本、2019年以降は各1本づつとなっていたが、今季は初めて。
巨人の選手としては、2018年の石川慎吾、2021年の亀井善行(開幕戦)以来、岸田が3本目であった。
2021年の亀井善行の代打サヨナラホームランは、開幕戦で飛び出したものだが、NPBで開幕戦にサヨナラホームランを放ったのは13人いるが、代打で決めたのは亀井が史上初の快挙である。
「代打サヨナラホームラン」最多は若松勉と高井保弘の3本
なお、NPBで「代打サヨナラホームラン」の最多記録は、若松勉(ヤクルトスワローズ)と高井保弘(阪急ブレーブス)の3本である。
若松勉
若松勉は1977年6月12日、6月13日、本拠地・神宮球場での広島カープ戦で、池谷公二郎、松原明夫(福士明夫)から「2試合連続代打サヨナラホームラン」を放ち、豊田泰光に次いでNPB史上2人目となる快挙となった。
スワローズの前身となるサンケイアトムズの豊田泰光は1968年8月24日と25日、神宮での対中日ドラゴンズ戦で2試合連続で代打で登場し、いずれも山中巽からサヨナラホームランを放っている。
さらに若松は1979年7月11日の中日ドラゴンズ戦でも代打で3本目となるサヨナラホームランを堂上照から放っている。
若松は通算220本塁打のうち、サヨナラ本塁打が8本あり、王貞治(読売ジャイアンツ)と並ぶセ・リーグ記録で、NPB史上4位タイの記録である(1位は清原和博の12本、2位は野村克也の11本、3位が中村紀洋の10本)。
高井保弘
阪急ブレーブスの高井保弘は1981年9月3日、本拠地・西宮球場での西武ライオンズ戦で左腕の永射保から通算3度目となる「代打サヨナラ本塁打」を放ったが、これが現役最後の代打ホームランとなる27本目で自身の持つ世界記録を更新する一発だった。
高井は代打ホームランの世界記録を破った1974年、オールスターに初選出されると、第1戦で代打で起用され、セ・リーグの投手、松岡弘(ヤクルト)から「代打逆転サヨナラ本塁打」を放った。
これはNPB史上初の快挙であり、現在も唯一の記録である。
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