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食物繊維神話の崩壊!実は健康に悪かった……

【食物繊維のがん予防効果】

 「食物繊維は大腸がんを予防するかもしれない」という考え方は、「チャイナ・プロジェクト」の初めの頃には一般的だったが、1982年の全米科学アカデミーの「食物・栄養とがんに関する委員会」の報告書では、「食物繊維が(中略)、人の結腸・直腸がんに対する予防効果を発揮することを示す決定的な証拠はなかった」としていた。

 さらにこの全米科学アカデミーの報告書は、「もしそのような効果があるとすれば、総食物繊維量というよりも、むしろ食物繊維の中の特定の成分が関与している可能性のほうが高い」といった結論を下していたのである。

 あとから考えると、この問題に関する委員会の議論は不十分だった。この委員会が抱いた疑問や研究論文の再考、証拠の解釈などは、予防効果を発揮するものとしての特定の食物繊維を探すことに、あまりにも焦点を当てすぎていたのである。結局はなにも発見できず、この「食物繊維仮説」は退けられてしまった。

 これは誤りだった。「チャイナ・プロジェクト」では、「食物繊維は特定のがんと関連性がある」ことを示す証拠を提供してくれたからだ。

 「チャイナ・プロジェクト」の結果から、「食物繊維を豊富にとることは、直腸や結腸のがんの罹患率が低いことときわめて深く関係している」ことが明らかになったのである。

 また、食物繊維の大量摂取は、血中コレステロール値が低いこととも関係していた。もちろん食物繊維をたくさんとることは、植物性食品の摂取量が多いことを反映している。豆類や葉物野菜、全穀物(精製処理をしていない穀物)といった食べ物は、すべて食物繊維が豊富だ。 コリン・キャンベル/トーマス・キャンベル『チャイナ・スタディー』より

【食物繊維は便秘・痔の予防に役立つ】

 もう1つ、考えなければならないものに繊維質がある。健康管理のあらゆる点で、この食物繊維の重要性が強調されており、その効果は多岐にわたる。食物中の食物繊維は便秘や痔の予防に役立つが、肉や魚には食物繊維がほとんど含まれていない。 ハーヴィー・ダイアモンド/マリリン・ダイアモンド『フィット・フォー・ライフ』より

【食物繊維は解毒剤】

 食物繊維は「消化吸収を減らす力」をもっている。食物繊維は体になにかを与えるものではなく、体からなにかを取り除くものなのだ。それが糖分やインスリンなら、願ったりかなったりだ。事実、水溶性食物繊維は炭水化物の吸収を減らすので、血糖値やインスリン値が下がることになる。

 ある研究では、2型糖尿病の患者がふたつのグループに分けられ、ひとつのグループには濃度を一定にした流動食が与えられ、もうひとつのグループには食物繊維を加えた流動食が与えられた。どちらのグループも、まったく同じ量の炭水化物とカロリーを摂っていたにもかかわらず、食物繊維込みの流動食を摂っていたグループの被験者は、血糖値もピーク時のインスリン値も減少した。肥満と糖尿病の主因はインスリンであるため、インスリン値が下がるということは、体に有益であるということになる。いうなれば、食物繊維は“解毒剤”のような働きをするということだ。 ジェイソン・ファン『トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ』より

✔️【真相〈食物繊維に大腸がんを予防する効果はない〉】

 また日本人では、杏林予防医学研究所所長の山田豊文という人が〈病気になりたくない人が読む本〉の中で「マゴワヤサシイの食材には食物繊維が豊富に含まれている。だから積極的に食べよう」みたいなことを言っています。

 それにしても、まー出てくるわ出てくるわ。これでもかというほどの食物繊維礼賛の数々。

 おそらくこの記事を読んでいるあなたも「糖質や脂肪はいろんな意見があるみたいだけど、いくらなんでも食物繊維は体にいいものなんでしょ……?」と思い込んでいると思われます。

 そんなあなたの幻想を打ち砕く、衝撃の真実を記したいと思います。

 まず、「食物繊維には直腸・結腸がんを予防する効果がある」というコリン・キャンベルの主張ですが、これは完全に否定されています(NEJM.2000)。

 ちなみにこれは食物繊維肯定派のジェイソン・ファンも認めていることです。

 さらに食物繊維には大腸がんの予防効果がないどころか、(サプリメントではありますが)大腸腺腫の再発率を増加させることが報告されています(Lancet.2000)。

【コレステロールが下がることはいいことではない】

 また、キャンベルは「食物繊維をとるとコレステロールが下がる!」などと言っていますが、ほかの記事で説明したようにコレステロールは高いほうが健康にいいので、それを下げる食物繊維は健康に悪いということになります。

【食物繊維で便秘が治るなんて嘘八百】

 次に『フィット・フォー・ライフ』が主張する便秘と痔について。

 私はこれまであまたの健康本を読んできましたが、ほぼ例外なく「食物繊維は便秘に効く」といった記述がありました。

 「食物繊維=便秘退治のヒーロー」という絶対的な神話があり、おそらく誰もその神話を疑っていないと思われます。

 が──科学は逆の結論を導き出しています。

 食物繊維を摂取することで排便回数は増えるものの、便の硬さ、排便時の痛み、下剤の使用などは改善されないそうです(【JNM.2015】【WJG.2012】【JHND.2011】)。

 排便回数が増えることと、便秘が治ることは違います。

 排泄しやすく、痛みがなく、下剤を使わずに済む──それが「便秘が治った」と言える状態なのです。食物繊維を摂取してもそうはならないのです。

 が、驚くのはまだ早いです。食物繊維を摂取しても便秘が治らないどころか、なんと食物繊維を抜くことによって便秘が治ることが明らかになっているのです!

 2012年のWJGに載った論文から引用します。

 食物繊維の摂取を完全にやめた41人の患者は、排便の頻度が3.75日(±1.59日)に1回から1日(±0.00日)に1回に増加した(P^0.001)。……食物繊維を多く摂取し続けていた患者には、排便の頻度に変化がなかった。……また、随伴症状のある患者の割合にもグループ間で差があった。腹部膨満については、食物繊維を多量に摂取する全員が引き続き症状を示したのに対し、摂取量を減らしたグループではわずか31.3%にとどまり、摂取しないグループでは1人も症状を示さなかった(0%、P^0.001)。いきみに関しては、食物繊維を摂取しない全員に排便時のいきみがなくなった。腹痛の症状は、食物繊維を完全にやめた患者のみが改善し、高繊維食と減繊維食を続けた患者には改善が見られなかった。さらに、食物繊維を摂取しない患者には肛門出血の症状がなくなった。

 ちなみに食物繊維によって便秘が悪化するのはポール・サラディノによると「小腸内細菌異常増殖症(SIBO)」というものの影響だそうです。

【食物繊維のデメリットの数々】

 ほかにも食物繊維には……

 ●食物繊維をとると抱き合わせのように炭水化物も増えるため、血糖コントロールの悪化につながる。

 ●ホルモン代謝と栄養吸収の両方を妨げ、健康に悪影響が出る。

 ●フィチン酸を多く含むため、亜鉛欠乏症になる。

 ……といったデメリットがあるそうです。

【2型糖尿病患者に食物繊維をとらせる必要性はない】

 最後にジェイソン・ファンの「2型糖尿病患者に食物繊維をとらせると、血糖値とインスリンが減少する」という主張について。

 2型糖尿病は普通に糖質制限をやらせれば治る病気なわけですから、デメリットだらけの食物繊維をわざわざとらせる必要性はないと言えるでしょう。

【森下敬一さえもだまされていた……】

 最後にもう1つ。

 日本の自然療法の最高権威と言われた故・森下敬一医学博士は〈ガンは食事で治す〉という本に次のようなことを書いています。 

繊維不足 腸や血液の大掃除をしてくれる食物繊維が大幅に少なくなっている。

便秘を起こしやすい 精白食品である白米は、腸の蠕動を弱め、腸内容がスムーズに流れていかなくなる。

 残念ながら論文などの情報ソースは明示されていないので、これは森下敬一が1人で勝手にそう思い込んでいるだけと言わざるを得ません。

 森下敬一ほどの人でもだまされていたのですから、食物繊維神話の強大さを思い知らされます……。

【まとめ】

 ●食物繊維は一般的なイメージ、神話とは真逆に、百害あって一利なしなものである。

 日本の国民病の1つである糖尿病。しかし標準治療は大変危険なものなのです。糖質制限による治療をぜひご検討ください。

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