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春帰ってきてね
今日はいつも通り寒いんだけど、なんとなーく、日差しと匂いに春を感じた。
春の匂いや雰囲気は大好きだ。
いや、あまり好きじゃないかもしれない。
春は暖かくて、野草ですらカラフルで、
蝶々や蜂が飛び回る。
重いコートが脱げて、さらりと肌が出せるのも良い。
それなら、なぜ好きじゃないか。
花粉もあるけど、切なすぎるからだ。
暖かい空気を吸い込むと思い出す。
小学1年生。
小学校に入ってすぐ、まだ慣れない教室での国語の授業。
教科書を開くと、花の道とくまの挿絵がある。
幼いながら、ここから学びが始まるんだと思ったのを覚えている。
中学3年生。
嫌だった最終学年のクラス。
それを終えた自分に拍手した。
第一志望の高校にも受かって、これから始まる高校生活に思いを馳せた。
高校。
友達と桜の木の下でじゃれ合い、バカ笑いする。
当時はエモい、なんて言葉はなかったけど、それに似たようなことは思っていた。
「私達、青春してるよね。」
大学。
春を迎えるたびに忙しさも楽しさも変わった。
もう社会人だぞという圧を感じながらも、それに抗うように出かけたのもこの頃だった。
社会人。
新卒で入った会社は、明らかに仕事内容は向いていなかったけど、4月は必死だった。
仕事が向いていない中で、結果が残せるのもまた春だった。
酸いも甘いもある春だけれど、どちらも思い出されて切ない。
来てほしいような、来てほしくないような季節が、またやってくる。