心臓の刺激伝導系についてまとめてみたよ
心電図
今回は心臓の刺激伝導系についてやっていこうと思います。
刺激伝導系は
①心臓は電気で動いている。
②指令をだすのは右心房の洞結節
③心電図は心臓の電気の流れを表している。
④心電図波形の形を理解する
の4ステップでマスターできます。
早速始めていきましょう
①心臓は電気で動いている
心臓には電気が通る回路が存在しています。そこに微弱な電流が流れることにより、心臓の筋肉である心筋が興奮します。興奮は心筋の収縮となり、全身に血液を送り出すためのポンプ機能を果たしています。
ポンプ機能が繰り返し正確に、一定のリズムで行われることにより、人間は酸素や栄養の供給を受けることができ、生きていられると言うことです。
②指令をだすのは右心房の洞結節
心臓の電気はどこから始まり、どのように流れていくのでしょうか。
その始まりは右心房の場所にあります洞結節となります。
洞結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ繊維へと流れていきます。
したがって心臓の興奮は心房→心室の順番で動いていると言うことになります。
左脚と右脚に分かれるのは心室が肺に送る右心室と全身に送る左心室の2つがあるからと言う理屈で理解出来そうです。
③心電図は心臓の電気の流れを表している。
心臓が電気で動いている様子を一本の線で表せることが出来る様になったのは今から100年以上も前の事でした。
その波形は個人差はあれど、健康な人であればほぼ同じ波形になることを証明しました。
心電図は心房と心室の動きに合わせて動く波形であり、現在では波形によって心臓の動きを予測、把握出来る様になっています。
④心電図波形の形を理解する
健康な人間の心電図は以下の図のような波形となります。
波形にはそれぞれ名前があり、左から順番にPQRSTとなっています。
また、一つ一つの波形が表す心臓の動きは意味が変わりますので、ここでしっかり理解しましょう。
P波:心房の興奮
QRS波:心室の興奮
T波:心室の再分極(休憩)となります。
この流れは試験に出てきますが、なかなか覚えられないと思います。
ですが、これは野球のバッティングをイメージすることで簡単に理解できます。
ピッチャーが投げた球をバッターが打つという流れを一定のリズムで行なっている様子が、心電図の流れととても似ています。
ピッチャーの投球をP波とすると
バッターのバッティングはQRS波とおけます。
その後バッターはもう一度打つために構え直しますが、それがT波となります。この繰り返しでバッティング練習が進んでいきます。
それぞれ
「ピッチャー」のP波
バッターの「クルンとする」スイングをQRS波
打った後の「テイクバック」をT波
と言うように頭文字としてもリンクしてますので語呂合わせ的にも理解しやすいです。
また、バッティング練習のリズムはピッチャーが握っていますから、その点においても右心房の洞結節のペースメーカー役割と合っています。
今回は例えで理解する刺激伝導系をやってまいりましたが、如何でしたでしょうか?
今後も解剖生理学を好きなってもらえるような記事を書いていきたいと思います。
それではまた。
参考文献
Gerard J. Tortora., Bryan Derrickson. (2007) Introduction to the Human Body the essential of anatomy and physiology 7th Edition. (Saeki Yuka., Mieko Kurosawa., Yasuhiko Hosoya., Kenichi Takahashi Trans.) Japan Tokyo: Maruzen Co.