2020年の学校の新しい生活様式まとめ
2020年は学校にとって歴史的な転換期だったと思います。
コロナによって様々な制限が出てきた中で、GIGAスクール構想がハイスピードで押し進められました。
コロナで今までなかった問題が生まれるor今まであまり問題視されなくなっていた問題が顕著になる→テクノロジーで解決
という流れができ、新しい生活様式・文化も多く生まれた1年だったと思います。
そんな2020年に生まれた新しい学校の生活様式をまとめてみたいと思います。
1、コロナの感染予防対策
マスク着用、手洗い・うがい、換気、消毒など今までよりも衛生面にかなり気を使うようになった1年でした。
教室に入る前に健康観察カードの提出(生徒も職員も)、歌声活動の禁止/制限、図書室・職員室・会議室にパーテーションの設置
など今までにはない生活様式が生まれました。
具体的なガイドラインは文科省が出していて、それをまとめたnoteはこちら。
2、生徒一人一台端末の実現
そして、個人的には一番大きいと思います。
コロナの影響で今まで3年かかるような構想だったのが約3ヶ月程で実現しました。自分の学校は研究推進校に手を挙げたということから、市内で最も早く導入されたこともありますが、一人一台端末の時代がこんなにも早く来るとは思いませんでした。
アメリカで教育実習をした時に、小学生全員がMacを使っていたのを2016年に見て、「アメリカも進んでいるな。日本の学校がこうなるのは何年先になるのか」と思っていたところ、コロナの影響で急加速しました。
アメリカ教育実習初日で驚愕した記事はこちら
冬休みには一部の生徒を対象に持ち帰りの検証も始めました。一歩ずつゆっくりですが、前に進んでいます。
3、合唱コンクールが動画コンクールに
飛沫感染が叫ばれる中、自分の学校では合唱コンクールが中止になりました。
その代わりに、「Withコロナの時代の今私たちができること」というテーマで生徒たちが動画を企画・撮影・編集を行う動画コンクールを自分の学年で行いました。
初めての試みで、中学生に動画編集なんかできるのだろうか、保護者に見せることができるだけのクオリティになるのだろうか、という懸念があり、正直ずっと不安でしたが、最終的にはかなり質の高い動画ができました。
管理職や生徒からは、動画コンクールを絶賛され、今までにはない新しい形の行事になったと思いました。
次は3年生を送る会がありますが、これも学年からのビデオメッセージ制作に変更になりました。生徒たちが、3年生を泣かせられるようなビデオメッセージが作れるか楽しみです。
4、全校集会が禁止→全校ズーム集会へ
今まで当たり前にしていた全校で体育館集まるということが禁止になりました。
任命式、生徒総会、SNS集会、始業式・終業式などです。
それらは、全て各クラスズームで接続するという形or放送に変化しました。
やはりライブの臨場感には勝てないと思うこともあれば、時間帯効果はこちらの方が良いと感じることも。
5、無言給食→放送の活発化
給食の時間は今まで班の形にして、班員と話しながら食べる時間でした。
しかし、コロナの飛沫感染の危険性を考えて、全員前をむいた、無言給食に変わりました。その結果、給食を食べている時は静寂が訪れます。
その静寂を少しでも解決するために、今までは自分の学校ではやってなかったお昼の放送で音楽を流す&ラジオが始まりました。
放送委員は、流したい音楽を流したり、おすすめの本を紹介したり、ゲストに気になる先生を呼んでインタビューしたり様々な企画を考えます。
自分もゲストに呼ばれて、「人生の武勇伝は?」という難しい質問に答えたりしました。
6、紙のアンケート→フォーム集計へ
一人一台端末が配布されたことで、今まで紙で行っていたアンケートをフォームに変更しました。
生活のアンケートや学校評価アンケートなど、今までは作成・印刷・配布・回収・集計という段階を踏んでいたものが、配布と集計までが一瞬で終わるという流れになりました。
多くの職員が「これは便利!」と驚いていました。
7、手紙→クラウド配布へ
保護者会が今年はやりませんでいた。
なので、今までは保護者会で配布していた資料を今回はクラウドにアップロードして、URLを知っている人のみにダウンロードができるような取り組みを始めました。
今は検証段階で一部の手紙でしか行われていないですが、今後はより多くの手紙がオンラインで配布になると思います。
これで、生徒が手紙を親に渡さないという問題が解決されます。(親がメールを確認しないという新しい問題も生まれるかもしれないですが)
8、宿泊行事→中止へ
2年生の林間・3年生の修学旅行などの宿泊行事が中止になりました。
これに匹敵する代替行事は今のところないです。
そもそも宿泊行事って必要なのだろうか、何のためにやるのだろうか、目的に添えば別の形でも良いのではないか、という問いが浮かんできます。
「宿泊行事はそもそも何のために行うのでしょうか。」
今のところの自分の答えは、様々な要素の中で
1、「非認知的能力」の育成のため
2、生徒間の非日常的な「共有体験」を通じた団結力を育むため
が特に強いのではないかと思います。
そのために教員の準備ももちろん大変です。2年前くらいから始めます。
このための宿泊行事ってコスパが悪いんじゃないか、他にもやり方があるんではないかと思いますが、、、
そのやりがい・成果はあると思います!(費用対効果は分かりませんが)
まとめ
2020年はオリンピックで歴史になると思いきや、別の意味で歴史的な1年になったと思います。コロナの制限とテクノロジーの導入が上手くかけ合わさり、様々な新しい学校の生活様式が生まれました。
この貴重な時期に学校現場で、中から変化を体験できる/中から変化を起こせる立場なので、これからも色々試していきたいです。