オンてらストーリー 0章 #4〜かづき編〜 オンライン寺子屋立ち上げ記
4月半ばは外出する機会もなく、ステイホームでもんもんとしていた。
楽しいな、と思えることは知らない単語に出会う時くらい。
海外の友達のSNSに頻出する”Quarantine”という単語が、空港の「検疫」という意味だけでなく「自主隔離」という意味で使われていたことを、遠い日本からなるほどな〜と思ってたりした。
私は教員志望で、大学院生として生活している。
2020年春タームは、院のプログラムとして予定していた海外渡航が全て中止になった。
文化を体験すること、新しい人との出会い、飛行機に乗るワクワク感も好きなので、相次ぐプログラム中止に心をへし折られていた。
4月6日から始まる予定だった大学院の新学期も早々にゴールデンウィーク明けに延期が決定。
エンジンのかからない4月だった。
そんな外出自粛期間中に突然「中村さん」から「お疲れ様です、堀さんの学校どうですかー?」と連絡が入ったのが4月15日。
私は内心、
「お?、、ん??どうした??」
と、何故私の所に突然連絡が来たのかわからないでいた。(笑)
ただし、「どうですか?」と質問されると答えてしまうのが性なので、私の近況、大学院の状況などをお伝えした。
さて、ここまでで1点お気づきいただけただろうか。
この時点でオンライン寺子屋で一緒に運営をしている中村柾くんは、「中村さん」として登場している。
実は、2019年の3月に1回だけ授業見学でお会いしたことがあったきり、ほとんど連絡は取ってこなかった距離感の方だった。
私との間に共通点も沢山あって「中村さん」は、「敬語やめましょうよー!」と言ってくれた。
でもそうは言っても初めて会った時は授業をやってる「中村先生」だった。
当時は学部生として訪問させて頂いた時だったので、フィルターを外すのは難しく。。。
暫くは「中村さん」と彼への敬語がどうしても抜けなかった。
そんなこんなで「中村さん」のコロナ禍の学校の状況を話を聞いていくうちに、「今度こんなのやるのでよかったら」とあるイベントを教えてもらった。
お誘いをうけて参加したのが、4/18の朝に行われたティーチャーズイニシアチブ主催の「Withコロナ時代の若手教員の在り方」というオンラインイベントだった。
意外と「中村さん」は、ゆっくり、柔らかくしゃべる。
テキストメッセージでは卓球のレシーブ並みに瞬時に返ってくる一方で、実際は全然、早口ではなくて驚いた。
でもその話の中に「子ども達」を主語にした思いと、スピード感を持って判断行動していることが直ぐに伝わってきた。
自分がいま1番動きやすいんじゃないかと思ってる。
自分に出来ることを考えたい。というひたむきさに、私も鼓舞された。
先が見えないでいた私にも、出来ることがあるのかもしれないと思い始めたのはその頃だと思う。
たかが大学院生。
学校の先生でもなんでもない。
それでも、私には「圧倒的な時間」があることに気が付き始めた。
そう認識し始めてから、このあと不思議とどんどんと動き出せるようになる。
「みずもちゃん」と出会うことになるのは、この少し後の話。
2020/04/23 堀佳月 オンライン寺子屋運営 大学院生
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