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野心を飼いならすということ(読書感想文)
最近は以前より積極的に読書を行えるようになってきました。
少しは怠惰な自分を律せているのでは、と思いながらもまだまだ知識量が足りないと実感する日々です。一つ、気づいたこととすれば、私はビジネス書よりエッセイの方が好きなのかもしれない、と言ったところです。他の方の実体験を赤裸々に綴った内容の方がなんだか親近感を覚えることができるからかもしれません。
今回は、久しぶりに読んだ本が衝撃的で今後も絶対に覚えておきたい内容だったのでそのために感想文がてら文にして残そうと思います。
『野心のすすめ 林真理子』
恥ずかしながら、林真理子さんは知ってはいるものの彼女のエッセイや小説を読むのは今回が初です。いや、なんとも耳に痛い言葉が多かったと同時に自分が感じているもやもやをこれでもか、と的確に言葉で表してくれていました。
正直、読んでいて人を選ぶ内容なのではとも思いました。だってそれほどまでに耳が痛い言葉が多い。耳が痛いと感じる=それが正解と感じていることだからだと思っています。だって、このご時世、誰かに頼って生きていける時代ではありませんもの。もう少し早くこの本に出会いたかった。でも今読めてよかったんですかね。
働くことは生きること。そんな風にも感じました。もちろん、働くことに対し何に価値を見出すのか、を著者なりの目線で描写されていますがその表現と言ったら。やはり第一線で活躍される方だけであって、重みが違う。正直全員がそこまでストイックに努力できるかは疑問ではありますが、著者が描いているような人生を送りたいのも事実。だったら、その分努力するなり、目的から逆算するなりしなければいけないなと感じました。
仕事ばかりしている自分は、何も進めていないのでは、結婚している友人に取り残されているのでは、と不安に思うことも最近はあります。ただ、今回の著者の中には社会で戦う全ての女性への肯定を感じました。私、頑張ってたんだな、と。
改めて、著書を読んでいて感じたのは私、意外と野心があるのでは、といったこと。会社員を経て社会を経験して、自分なりの考えも持ってきているつもりです。自分なりの仕事の流儀もあって、働きづめて、ストレスもたまるけど、でもそんな瞬間も楽しいと思えることもある。少しは強くなっているのでは、と感じます。今は仕事のスキルを磨くというより、仕事を通して自分を磨くステージに変わってきたのかな、と思っています。
その反動か、仕事以外の面ではだめだめだったりしますけど、そこは愛嬌ということにしておきます。
話は戻して、やっぱり私は結婚した後も仕事がしたいな、と思いました。それだけ、社会に求められれば、理想とする互いが自立した夫婦になれるのでは、と思います。夫婦はチーム戦。自分ももし結婚したら相手の意思を尊重したいし、自分の意思も尊重してほしい。その互いの選択を尊重しながら支えあえる関係でいれたら、とは思います。(理想論ですけど)
話が反れまくってしまいましたが、やはり定期的にこういったエネルギーチャージをしなければいけませんね。柔軟性のある、ポジティブな自分でいれるように。まだまだアップデートしていきたいな、と思った次第です。
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下記、備忘録的内容です。
印象に残った本文を抜粋。いつでも見返せるように残しておきます。
『「昔は良かった」と過去を懐かしむような自分にはならないぞ、という決意を込めていたんですね。未来の自分は「いまの私がいちばん幸せ」と、いつも思っている自分であってほしい』
『どん底時代をどういう心持ちで耐え抜いていたかというと、「いまに見てろよ」っていうような不屈の精神ではないんです。「おかしいなあ……私、こんなんじゃないはずなんだけど」という「???」の思いでした』
『人間が成長するのは、なんといっても仕事だと思うんです。仕事とは、イヤなことも我慢して、他人と折り合いをつけながら自己主張していくことでもある。ずっとその試練に立ち向かい続けている人は、人間としての強さも確実に身につけていきます。』
『世の中は理不尽なことで溢れていて、自分の思い通りになることなどほとんどありません。だけど人間は努力しなければならない。それを社会で働くことで学んでいる。仕事から逃げ出して主婦になった人が、子育てで成長しようなんて目論んでいるとしたら、あまりにも自分に甘いんじゃないかしらと思います。』
『年齢を重ねていくと、野心の飼いならし方もだんだんわかってきます。他人のことは気にならなくなってくる。ひたすら自分の中にむかってくるんです。もっと良い仕事をしたいということだけになり、野心が研ぎ澄まされていくわけですが、自分との戦いほど辛いことはない。しかし、若いうちから野心を持って訓練していれば、その辛さに立ち向かえる強さも鍛えられているはずです。』
『どうしてこんなに嫉妬するんだろうと思って、自分の弱点が見えてくることだってある。頑張っている人だけが抱くことのできる「健全な嫉妬心」はまったく悪いことではないと私は思います。むしろそれは宝物、自分が努力してきたことへのご褒美なのです。』