【積ん読する勇気】はじめます
私の特技は積ん読です.この特技を生かし,皆さんに,魅惑の積ん読の後押しを試みるシリーズ【積ん読する勇気】を始めます.
すでに拙著「相対論とゲージ場の古典論を噛み砕く ゲージ場の量子論を学ぶ準備として」(現代数学社)にて,私の所有するおびただしい数の積ん読コレクションから,ゲージ場の量子論という名の高くそびえ立つ絶壁へのガイドとなるような素敵な専門書をたっぷりとご紹介しました.
これは,学部生のことから神保町へと足繁く通い,専門書に囲まれる幸せを知ったあの頃から,買い集めてきた私の積ん読コレクションのごく一部に過ぎません.紹介したくて紹介できていないものがたっぷりと積まれています.積ん読の同志を募りたい気持ちでウズウズしています.
とはいえ,積ん読という行為,とっても勇気がいるんですよね.特に専門書って,そうそう簡単に読破できるわけでもなく,読み切っていないどころか,全く解読不能のまま,積まれていく未読本の山,山,山.(今度こそ,この本を読めば,アレが氷解する...はず?)という期待と不安が入り混じり,なけなしの軍資金を投入するときの葛藤.
神保町の明倫館で,学部2年時に思いっきり背伸びして,ランダウ・リフシッツの名著「弾性理論」を買ったのですが,2階テンソルの知識すらあやふや,連続体理論の入門書も手にとったことのない私の手におえるはずもなく.そのままずーっと押入れの奥にしまったまま.引っ越しの度に,湿気た状態の弾性理論を発掘し,また押入れの奥へ,の繰り返し.そんな中,日本語訳を読んですらないのに,英語の勉強を兼ねて読もう!などと意気込んで英語版も購入.ですが,もちろん,積ん読.
その積ん読,今振り返ってみると,大丈夫でした.自分でも全く活用する機会が想像できなかったのですが,なんと15年の積ん読期間を経て,研究に活用できたのです.
この体験に味を占めた私は,今では「積ん読が特技」であると,悟りの境地に達しました.
【積ん読する勇気】シリーズを通じて,私の迷走っぷりを開陳(しながら,しれっと自著宣伝も)することで, 専門書を読破できないままに積ん読が増殖することへの対する不安が少しでも和らぎ,専門書を積ん読が特技,趣味であると.言い放つ同志の輪を広げられたらと思っております.
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