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10億年前の時に触れる場所 カッパドキア

トルコ旅2024 準備編はこちら

今回の旅の目的地、1つ目はカッパドキア。知人にオススメされた場所です。

イスタンブールで国内線に乗り換え、カッパドキアへ。目的地に近づいて高度が下がると、パッチワークのように色とりどりの平野が見えてきます。日本の山林とは異なる景色に、ワクワクが募ります。

降り立った空港は、ホームセンターくらいの平屋の小さな建物。世界的に有名な観光地になるとは予想もしていなかったのだろうかと思うほど、小ぢんまりとしていました。でも一歩外に出ると、送迎の人達でものすごい賑わい。みんな、予約の名前を書いたボードを持って待機しています。私も予約していた送迎カーにピックアップしてもらい、いざホテルへ。

カッパドキアといえば奇石群ですが、ホテルへ向かう途中から、既にその景色が広がります。まるでテーマパークのようです。

美しさも機能も 洞窟ホテル

今回宿泊したのは、「Village Cave House」。
洞窟ホテルです。

石を削って作られた美しい室内。アメニティや家電も揃っていて、近代的なホテルと変わらぬサービス
部屋の前のテラス。ビールを飲んだり、コーヒーを飲んだり。寝る以外は、ほぼテラスで過ごしました
泊まったホテルではないのですが、洞窟ホテルの外観はこんな感じ!

洞窟の建物は、美しくなおかつ機能的でした。エアコンはなかったのですが、「外が暑い時は中が涼しく感じられ、逆に外が寒い時は中が暖かく感じられますよ」という説明でした。実際その通りで、空調がなくても快適に過ごす事ができました。インテリアやファブリックはトルコ絨毯や刺繍のもので揃えられていて、いちいちかわいい!

こちらのホテルは家族で経営されているように見受けられました。日本語で挨拶をしてくれる気さくな方たちで、そして何よりお母さんの料理が本当に美味しかったです。

レッドツアーへ


翌日は、ガイドツアーを予約していました。カッパドキアには、レッドツアー、グリーンツアー、ブルーツアーという定番のコースがあるのですが、その中でも王道の、奇石群を回るレッドツアーに参加することにしました。

日本語ガイドをお願いしていたのですが、担当してくれたのは、日本で20年間暮らした経験があり、当時は貿易の会社を経営していたという方。日本の暮らしや歴史にも精通しており、日本との比較なども交えながら、わかりやすく説明して下さいました。

カッパドキアの独特の地形は、洪水などによる水の力で削られて出来たものだそう。トルコではインフラの整備が進んでおらず、雨が降ると、膝まで水に浸かるような状況が、しばしば起こるらしいのです。

キノコの様にてっぺんに乗っかった岩。土台部分が削られ先が細くなると、いずれ頭も落石する。足元には、過去に落石した巨大な岩がゴロゴロ

岩が削られるといっても、減っていくスピードは10年でたったの3.5cm。塔がそびえ立つようなこの形になるまでに、一体どれほどの年月が過ぎたのでしょうか。太古の昔と今この時が、一つの景色を通して繋がっているような、そんな不思議な気持ちになりました。

目に見える一番下の地層は10億年前のものだそう
想像の谷という場所。あらゆる形に削られた岩が何に見えるかイメージを働かせる。中央はラクダ岩

昔の人々はこれらの岩に穴を掘り、住居や修道院として使っていたそうです。その中でも貴重な壁画が残っている教会などは、博物館として現在保存されており、そこではキリストにまつわる宗教画の数々を見ることができます。聖書というと日本人には馴染みが薄いものですが、ガイドの方からは「キリストの弟子の◯◯は、どこの地方の出身で、こんな仕事をしていた人で〜」という話が何度も出てきて、この地域の人達にとっては歴史上の人物として大変身近な存在である事が、とても興味深く感じられました。

この地に数多く残っている洞窟は、現在は不動産として価値の高いものになっているそうです。多くはホテルなどに、また軍の施設として使われているものもありました。

歴史を語ることの大切さ

多くの学びがあったガイドツアーでしたが、旅先でガイドさんに同行してもらうのは修学旅行以来です。若い頃は説明を聞くのが面倒くさいなと思っていましたが、今回参加してみて、その土地のストーリーを聞くのはめちゃくちゃ良いなと思いました。そうでなければ、「わー、面白い形!」とか、そんな事で終わっていたかもしれません。

自然環境の特色や、それに適応して人々がどのような暮らしをしていたのか。何を大切にしていたのか。知ることで、感情が動き、記憶にもしっかりと刻まれます。これからの自分たちの暮らしにも活きてきます。

反面、自分はなかなか人に伝えてこなかったなぁとも思いました。地域のこと、事業のこと、自分のこと。普段は話すことに遠慮がちなのですが、それでは相手にとっての知る機会を無かったことにしてしまうかもしれない。

日本に帰ってきて早速お客様を迎える機会があったので、地域を案内しながら、その場所にまつわるストーリーを出来るだけ伝えようと心がけてみました。そういう気持ちに変わったことは、この旅の大きな収穫です。とても素晴らしいガイドさんとの出会いでした。

https://www.getyourguide.com/

フォトスポットも、たくさん教えてくれました!

朝焼けと気球


もうひとつ、カッパドキアの定番といえば、洞窟を空から眺める気球ツアー。私は気球には乗らなかったのですが、地上から見上げる空の景色も美しいです。

ホテルの方には、朝5時頃から飛んでいるのが見られるよと聞いていたのですが、翌朝5時はまだ暗かったので薄っすら明るくなった頃に表に出てみました。するともう既にたくさんの気球!!! そこから9時頃までは絶え間なく行き交う姿を眺めることができました。

次の日は、日の出前からスタンバイするぞと決めて4:50にホテルを出て、近くの展望台へ。そこから見える景色がこちら

気球がバーナーで火を起こした時のホワッとあかりが灯る様も、まだ薄暗い空に映えます。
平日だというのに2日ともかなりの数の気球を観ることができ、観光地としての人気ぶりを感じました。

のんびりしたリゾートの空気感もありながら、見るもの全てが刺激的なカッパドキア。記憶に残る旅になること、間違いなしです。


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