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「形」を変える

 ドラマ『転職の魔王様』は、仕事やら人生について、哲学的な問いがあって、毎回見入ってしまう。考えさせられるだけでなく、色々な視点で楽しめたドラマ。ついに最終回を見終えた。とりわけ、次の言葉が心に響く。“可能性がゼロではないなら、夢を追い続ければいい”という来栖さんのセリフには共感するし、同じ信念をもつ。それ以上に、“夢を諦めろとは言いません。ただ、夢の形は変わることもある”という言葉に、そのとおりだなと唸り、通信で伝えたい思いに駆られる。
 みなさんはこれから来たる将来に向けて、たくさんの思いを膨らませているに違いない。誰も見たことがない将来。楽しみである一方、不安でもある。自分の将来(進路)を考える分岐点に立っていることだろう。百周年記念式典における序曲『臥龍の誓い』の作曲家山本哲也さんは高校2年生を確かな分岐点として語った。そもそも、人生の転機がいつ訪れるかは誰にも分からない。私にとって分岐点といえるものは幾度かあるが、その一つは高校時代である。教員を目指すきっかけが詰まっている。けれども、分岐点がいつだったのかはその刹那に認識できたわけでなく、何年か経って後づけであのときやっていたことが今に繋がっているのかなと感じるものでしかない気がする。だから、今やっていること、これからやることを後先考えずに懸命に、無我夢中にやってみることが、必然的に「道」となってくる。誰かに用意される道など存在しておらず、あなたが進んでいく結果が道となるに過ぎない。
 そういうことを踏まえれば、大学に行くことだけが人生すべてではない。あなたが進みたい道に必要となるならば、大学を目指せばいい。勉強(学問)とは自ら望んでやるものであって、宿題を与えられたからこなすためでも、テストで点数を高くするためでもないのではないか。では、みなさんにあらためて問うが、勉強は何のためにいったいするものなのか。果たして、自分の将来のためだろうか。それを納得解とするもよしだが、それでは行き止まりがあるように思う。自分の将来のためという形で仕事を選択しようとしたら、どうだろう。それを「幸せ」と呼べるだろうか。そのまなざしの延長で、次の問いを考えてほしい。
 自分の将来を考え、「幸せ」だけを望んでいたら、どんな仕事が自分に適していると言えるだろうか。好きなこと、もしくは夢を追うことを仕事にできればこの上ない人生だとは思うが、すべての人の希望が叶うわけではない。それならば、今後出会ったことを好きになることでもよいのではないか。成長していったあなたを、いつか必要とする人が現れる。あなたは、まだ見ぬ誰かを幸せにする力を持っている。その力は未知なるもので、幾多の可能性を秘めている。目先の利益で取捨選択するのではなく、今やっていることはすべて、回りまわってあなたの未来にはなくてはならないものなのだ。
 ドラマで語られるセリフ“あなたの人生、このままでいいんですか?”を噛みしめて、筆を擱く。
 
수많은 기적을 일으켰지   幾多の奇跡を起こした
              (Stray Kids『S-class특』)


🎵 人生いろいろ。人の色もいろいろ。対話を楽しもう~ 🎵
 
【Color 53】勉強に集中しやすくなる方法、逆にこれをやると集中できない、効率が悪いという勉強法があれば教えてください。
【A】私は数学を勉強するときは、テレビを見たり、音楽を聴いたりしていました。しかし、何か覚えようとしたりするときは、静寂の方が多かったですね。どうしても気が散ってしまうので、集中できるようにするには、勉強以外のものは身の周りにない方がよいと思います。スマホがあると気になるようでしたら、視界から離した方がいいです。自分が集中できる環境を考えてみたらどうでしょうか。
 
【Color 54】トラウマを克服するには経験を積んで慣れていくのが一番と思いつつも、いざその場面になると逃げてしまいます。どうしたらトラウマから抜け出せると思いますか。
【A】辛い経験は思い出したくないですよね。似た場面が訪れれば、不安になり、逃げたくなるのも当然です。ただ、その経験を忘れることはできません。どんな経験も善し悪しというものさしだけで考えていると、そのトラウマから抜け出せないでしょう。二度と起きてほしくないことですが、あの過去があるから今のあなたがあります。私は本との邂逅(巡り合い)から、奇跡的な出会いがありました。
 
【Color 55】たまにチクチク言葉でしか会話できないと思うくらい厳しい人がいるのですが、その人たちは何を考えてその言葉を発せるのでしょうか。そして、その言葉を自分が浴びてしまったとき、どう回避しますか。
【A】あなたはそういう言葉を浴びると嫌だなと思い、逃げたくなるのですね。私も同じです。直接言われていなくても、そういう言葉を耳にするだけでも嫌悪感を抱きます。おそらく、会話でそういう言葉を吐く人は、小さい頃からずっと周りの人も吐いていたのかもしれません。それを言われた人がどういう気持ちになるのか考えて言葉を発していないように感じます。だからといって、発してよい言葉ではないですね。私ならその場から離れます。他者はともあれ、自ら吐かないことが第一ですね。
 
【Color 56】どうしても気が合わない人と話さなくてはならないとき(グループが同じなどで)、どう思えばストレスをためずにすむと思いますか。
【A】誰とも馬が合うなんてことは難しいです。だから、ストレスは感じてしまうことはやむを得ません。では、そんなときどうすればよいでしょうか。あくまでも心の中での話ですが、「この人とは気が合わないと思っているんだね」と自分で自分を認めてあげましょう。それをあえて、嫌だなと思わないようにしたり、嫌だと思うストレスを消そうとしたりすると、自分が素直に感じたことを認めてあげていないことになってしまいます。そうしたら、心は悲しいですよね。ただ、あなたが気が合わないと思っていれば、相手も意外とそう思っているものです。自分だけがそう思い続けると苦しくなるので、グループのときはずっと話すわけではないですから割り切って話をするようにしたらどうでしょうか。
 
【Color 57】今までやった数学の中で一番おもしろかったのは何ですか。
【A】確率ですかね。難しいですけど、(他の分野よりも)色々な切り口で解くことができるのは魅力的です。とはいえ、今は数学よりも算数の図形の問題を解く方が面白いです。中学入試は難しいですね。あれが解ける小学生がすごいと思ってしまいます。だからこそ、楽しいです。

2023.10.6

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