人生が好転する出逢い
私は今もなお高校の教員を続けられている。
しかし、順風満帆ではまったくない。
最初に赴任した学校。
ウキウキ気分だったのも束の間、夢も希望もない絶望に追いやられる。
担任を初めてもったときも、早く3年が過ぎないかと思う日々の連続。
私の世間知らずで、無知による、ちょっとしたボタンのかけ違いから起きた言動が歯車を狂わせた。
身も心もボロボロになりかけた。
しかし、卒業式の日、なぜか涙が出た。
晴れて解放されるとでも思ったのか。
自分の力のなさを痛感した4年間が過ぎた。
5年目に文化祭主担当を任される。
その学校では今までにやってきたことのない、スポンサー集め(広告料集め)を手探りでありながら実施した。
その仕事ぶりを陰ながら見ていた方がいた。
その当時の教頭先生である。
6年目になる前に、高校入試担当をやってほしいと打診された。
文化祭主担当をやりたいと思っていたので、悩んだ。
1日待ってほしいと。
お願いするということは、信頼してくれているからこそだ。
私が拙い教員生活を送っていたことを知っていただろうに、一切口にすることもなく、私を信じてくれた。
私の未来を、そして力を信じてくれた。
教頭先生に「私でいいんですか?」と敢えて聞き直した。
「もちろん。」
結局、文化祭主担当ではなく、高校入試担当を引き受けた。
教頭先生を信じることにした。
その1年、教頭先生の隣に座り、小さき片腕となって働いた。
教頭先生の教員としての在り方や生き様を身近で感じながら。
その1年間が、今の私を作っていると言っても過言ではない。
信じてもらえることがこれほどまで嬉しいなんて。
この人に救われた。
この先生には感謝してもしきれない。
本当に、ありがとうございます。
私の人生は好転した。
人生は、人の出会いによって変わる。
私の命の恩人ともいえる、この教頭先生のような教員でいたい。
そして、先の教員人生を見据えていうなら、周りの人を信じてあげられる「こころ」を持つ人でありたい。
また、世の人に光を灯してあげられる人でありたい。
それが、私の使命。