間伐材は風呂焚きに使えるのか?
良い天気の日曜日、近所の公園に出かけた。
自宅付近は急な坂が多い。公園の入口にたどり着く頃には息が上がっている。
徒歩5分ほどの距離なのに。
上った先は二等三角点のすぐ近くで、東方の景色が一望できるビューポイントだ。ボトルの水を少し飲んで、呼吸を整えながら景色を眺める。
最近、視力が落ちてきたので遠くを見るようにしている。
ここは山一帯が公園で、敷地内には舗装された百万歩コースもある。
私は雑木林の中の舗装されていない道を歩く。落ち葉が降り積り雨上がりでなくても滑る。とにかく斜面ばかりだ。
向かう先はハンノキ湿地。野鳥を見に行くのだ。
最短コースなので距離は知れている。でも気をつけていないと道に迷うし、滑る。
所々に間伐材が無造作におかれている。
あれは風呂の焚き付けに使えるのだろうか?
こんなことを想う自分に、驚いた。
先日、薪ストーブの記事をみたせいだと思う。使用する薪の量や、エアコンとの比較などが丁寧に記されていた。
生前、義父は毎晩のように風呂を焚いていた。
確かに山の方だったけれど、公共インフラは揃っていた。台所や洗面でお湯も使えたし、トイレだって水洗だった。
それでも、あえて風呂だけは木材で焚いていたのだ。
ガスや電気で沸かす湯と違い、身体が芯から温まるそうだ。
その違いが、私には分からなかったが‥
風呂焚きに使っていたのは、薪ではなかった。
木工所で端材を分けてもらうそうだ。ほとんどタダに近いと、当時同居していた義弟が言っていたのを覚えている。
ただ、もし風呂が壊れたら、また同じ風呂にできるだろうかとも。扱える職人がいないようだった。
三人は、この風呂を気に入っていた。
ガスや電気に変える気は、さらさらないようだった。
風呂焚きは、日々の営みのひとつに過ぎなかったんだと思う。
端材は軒下に、無造作に積んであった。
大小さまざまで、おもちゃの積木大もあれば竿ほどのものもあった。
長いものは、斧で割っていた。
公園の間伐材を見たら、義父はなんて言うだろう。
「あれは使えないなあ」と笑うだろうか。
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