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1週間の入院生活 no.2

入院5日目。
今朝から流動食が始まった。
点滴はまだ付けた状態なので、空腹感はないまま。
朝のメニューは『おもゆ・ねり梅・味噌汁・のむヨーグルト・はっ酵乳』だった。
初めて見るパッケージの乳酸品は医療用だろうか?
カルシウムと鉄分が添加されている。
この類は市販品にも含まれているので、特に特別な物ではないと思う。
見慣れないのは、チューブ入りのねり梅だった。
おもゆに入れるのだろうか?
私はプレーンのままで充分なので、ねり梅は開封しなかった。

昨夜3冊目の本を読み終えた。
持参したのは4冊。
残り一冊しかないのが心許ない気もする。
最後の一冊に、ハン・ガン・著『少年が来る』を残しておいた。

この本はかなり前から読もうと決めていた。
発売当初から気になっていたのは、光州事件がテーマだと知ったからだ。
光州事件を詳しくは知らないが、韓国の民主化を進展させた大きな出来事だ。
昨年末に『タクシー運転手 約束は海を超えて』を娘と一緒に観た。
この映画はリアルタイムで見逃したので、娘にも観てほしいと思っていた。
光州事件を一端でも知って欲しかった。
韓国でも大ヒットだったが、自国の史実を現代に広く伝える手法に感銘をうけた。
素晴らしい以外に言葉がなかった。

昨夜、読み終えた一冊は『隣りの女』向田邦子・著 だった。
読み始めた時から、なんだか記憶にある内容で首を傾げた。
読んだことがあるような気がするのだ。
この文庫には五つの短編が納められている。
『隣りの女・幸福・胡桃の部屋・下駄・春が来た』
隣りの女、幸福と読み進るうちに、やっぱり読んだことがあると気づいた。
おそらく自室の本棚に同じ文庫があるはずだ。
いつ読んだか記憶にないけれど、向田邦子作品は何冊か持っている。
持参した4冊は、今回の入院用に新たに書店で購入したものだ。
閉店まであまり時間がなかったので、比較的短時間で選んだ。
すでに手もとにある本をまた買ってしまったのは、今回が初めてではない。
これまでも何度かある。
その度に再読し、誰かに進呈する。
この一冊も近くそうなるだろうなあ…

4冊中、翻訳は1冊。
私にしてはめずらしセレクトだった。

『少年が来る』ハン・ガン・著
『隣りの女』向田邦子・著
『その街の今は』柴崎友香・著
「夜に星を放つ』窪 美澄・著


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