ヒヤシンス・プロジェクト on.2
雪の朝
朝から雪が降っている。この冬はじめての雪だ。
窓の外で親子らしき二人が、雪だるまを作っている。
雪玉を転がした後が、地面に3本残っていた。
ヒヤシンスの水栽培を始めて、もう3週間目に突入している。
今朝はいつもより寒くて、室温が気になった。
玄関は11度。私は寒くても、ヒヤシンスには快適だ。
球根は9~13度が適温で、2ヶ月ほど冷暗所に置くと良いらしい。
宅配で届いたポットの外箱に《ヒヤシンス球根の上手な育て方》が書かれていた。
ガラス製のポットはヒヤシンス専用で、説明にはヒヤシンスの事しか書かれていない。イラスト付きなので、成長過程が分かりやすい。
リビングに置きたい気持ちはあったけれど、室温が高すぎる。ポットはふたつ並べて玄関の椅子の上に置くことにした。
小学生の頃、ヒヤシンスの観察をしたことがあった。おそらく理科の授業の一環だったと思う。水栽培用のキットが配布され、ポットに水を注いで球根をセットしたら、ロッカーに入れたのを覚えている。
先生の説明では、暗いところの方が根が育つとのことだった。根が暗い土の中で伸びることや、もやし育成の話も、今、思い出した。
3日目に根が出てきた。
水栽培の楽しさは、根も見えることだろう。水中の白い根はイソギンチャクのようでもあり、ウニのようでもあった。今にも動きそうな気配を感じる。
10日目には色鉛筆の先ほどの、緑の芽が出てきた。
根は日に日に伸びていき、クラゲの長い触手のようになった。
色鉛筆から芽はクレヨンにまで成長して、心持ち緑も濃くなった。
『OVER THE SUN』の番組内では、MCのお2人だけでなくリスナーからも様々な情報が寄せられる。ヒヤシンスの球根には毒性(中毒性?)があるらしく、猫には要注意とのことだった。確かに、猫は植物を食べてしまうことがある。
うちにも猫がいるけれど、2匹ともLDからほとんど出さない。子猫の頃から植物にはあまり興味を示さなかった。
念の為、彼らの前に球根をセットしたポットを置いてみた。ちょっと匂いを嗅いだだけで、その後は近寄ることもなかった。やはり興味がないのだろう。
今朝はいつもより寒かった。猫は2匹とも、しっかり丸くなっている。
その姿はどこかアンモナイトの化石のようで、思わず笑ってしまう。
ヒヤシンスの水栽培を始めて、日々の楽しみがひとつ増えた。
まだ安心はできないので、猫たちにも気をつけないと。
to be continued