退職金廃止論に物申す
こんにちは、海原雄山です。
今回は、退職金廃止論について私なりの考えをまとめておきたいと思います。
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そもそも論の話
そもそも退職金とは
日本において退職金は、賃金の後払い的性格のものであり、終身雇用制の日本においては永年勤続を奨励する意味もあり、多くの大企業で採用されているものです。
法定された制度ではなく、退職金制度を設けなくても、もちろん違法ではありません。
企業が苦境に陥ったときに、整理解雇するために割り増しで退職金を渡す例もありますが、今回の議論では、あくまで通常の定年退職の際の退職金を前提としています。
そもそもなぜ退職金廃止の議論があるの?
これは、あくまで私の周囲での話ですので、広く一般に退職金廃止が以下の理由で議論されているわけではないかもしれませんが、日本の雇用制度に関係する話になるので、しっかり整理しておきたいと思います。
なお、廃止論者としては、法律で退職金を禁止することをイメージしているようです。(なので、廃止論というより禁止論なのかもしれませんね💦)
退職金廃止論①雇用の流動化
退職金は永年勤続へのねぎらいの趣旨もあることは先述のとおりですが、それが雇用の流動化の足かせになっていないかという考えのようです。
今後、成長産業や日本に必要な産業に人材を流入させ、ひいては日本を再度成長軌道に乗せるためには、雇用の流動化も重要なポイントとなります。
だとすれば、雇用の流動化の妨げになり得る退職金は廃止すべきというのが、廃止論者のロジックのようです。
退職金は、勤続年数に正比例して増えるというわけではなく、だいたいの場合、早期退職ならばペナルティ的に掛け率が悪くなり、減額されることが多いようです。
そのため、「もう少し長く勤めなければ、退職金が少なくなってしまう」という心理が働き、雇用の流動化の妨げになるのかもしれません。
退職金廃止論②税制の優遇
退職金は退職所得として所得税と住民税が課せられます。税率も通常の給与所得に比して低いとされます。
また、勤続年数に応じた退職所得控除があり、勤続年数が増えれば増えるほど、控除額が増えます。
さらに言うと、控除額も勤続年数が20年を超えると、増え方が違ってきます。
20年以下だと、年40万円の控除額増加であるのに対して、20年超だと年70万円になるわけです。
先述のとおり、退職金は賃金の後払い的性格のものです。
そう考えると、月給じゃなくて退職金として後払いされるだけで、なぜ支払う税金が安くなるのかという疑問はあるにはあります。
また、先ほどの①と関連しますが、「退職控除が増えるから、もっと長く同じ企業で勤めよう」という誘因が働き、雇用の流動化の妨げになるという考えもあり得ます。
私見
では、私自身はどう考えるか、備忘録的に書き残しておきたいと思います。
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