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橋下徹著『日本再起動』に学ぶ 強い野党に必要な条件
こんにちは、海原雄山です。
統一地方選も終わり、ついに解散風が吹いたり吹かなかったりですが、このまま自公政権が安泰とあれば、政治も緩んでいまいます。
だからこそ、政権に緊張感をもたらす強い野党というものが必要なわけですが、どの野党もいささか迫力に欠けます。
では、強い野党を作るにはどうしたらいいか。
ここは、維新の創始者のひとり、橋下徹さんの言葉を紐解こうではないでしょうか。
ということで、今回は、橋下徹氏の新刊、『日本再起動』から、個人的に刺さった強い野党づくりへのヒントとなるポイントを引用しながら、強い野党に必要な条件を考えたいと思います。
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①政治マーケティングと政党参加
本著では、政治マーケティングの重要性を説いています。
マーケティングとは、本来、「製品、サービスが売れる仕組みを作ること」とされていますが、一般的には「市場調査」という意味でつかわれることが多く、本著においては後者の意味を踏まえつつ前者の意味で使われているようです。
本著において、政治マーケティングの要素として以下の3つを挙げています。
①民意を探る
②政治家のイメージアップをはかる
③支持者を組織化して拡大していく
しかし、橋下徹氏は②だけ強化しすぎることには懐疑的です。
イメージ戦略そのものは政党や政治家の実力を向上させる効果はなく、必要以上に虚像を肥大化させ、イメージが独り歩きすることを懸念しているからです。
したがって、民意を探る①の要素と、支持者組織を拡大する③の要素が大事であると力説しています。
①については、大なり小なり従来から取り入れられているとは思いますが、③についてはれいわ新選組や参政党といった新興政党が取り入れ、熱心な支持者と議席の獲得に成功しています。
しかし、主要野党たる立憲民主党や維新はどうかというと、そこまでではないように思います。
近年で言うと、維新やそのほかの政党も、代表選等を行っていますが、それだけでは、物足りないでしょう。
参政党では、高い党費を払った人には、党の意思決定に参加できる権限が与えられます。
維新等のメジャーな政党がそれをそのまま取り入れるのはどうかと思いますが、しかし党員が党に参加できるという実感は強く、強いロイヤリティをう生み出すのに一役買っているのではないでしょうか。
例えば、維新が昨年実施した規制改革コンテストに党員投票のような仕組みを作り、党員になるメリットや楽しさを生み出し、熱心な支持者・党員を獲得し、コンテスト自体もSNS等で盛り上がるのではないでしょうか。
楽しそうな雰囲気は、やがて一般無党派にも伝播していくのではないでしょうか。
②まとめる力・まとまる力と多数決
本著で橋下徹氏は、まとめる力・まとまる力の重要性を説いています。
橋下徹以前から氏自身は、まとめる力が無いと自覚し、維新の党の取りまとめ役は松井一郎氏に任せてある旨は過去の著作でも何度も書かれています。
橋下徹氏はどちらかと言うと唯我独尊なイメージも強いかと思いますが、そんな橋下徹氏は(だからこそ?)、むしろまとめる力・まとまる力が大事であると認識しています。
弁護士出身の橋下氏なら、『法による統治』とか『ルールに基づいた組織運営』とかを重視しそうですが、むしろ人間関係力こそが政党に大事であると説いています。
というのも、政党という組織は、政治家で構成され、その政治家は選挙によって選ばれなければならず、メンバーの入れ替わりが激しく、役職の固定が難しいので規律正しい上下関係や上意下達が成立しにくいと、橋下徹氏は語ります。(ここが一般的な企業等との違い)
したがって、組織のルールによる上意下達ではまとめることは難しく、メンバー間の人間関係でしかまとめられないのです。
橋下徹氏は、民主党政権がなぜ失敗したかと言うと、このまとめる力・まとまる力が足りなかったから、言い換えると人間関係力の強い政治家が少なかったことに起因していると説いています。
したがって、強い野党を作ろうと思えば、まとめる力・まとまる力からは避けて通れないわけです。
そんな中、政党としての歴史も与党としての経験もほぼ無い野党の中で人間関係力を持った人物を育成していくことは難しいと考え、橋下徹氏は『公開ディベートによる意思決定』を提唱しています。
オープンな議論で意見を戦わせ多数決により公平公正な意思決定をお粉ⓨことで、少数派も文句がつけられず、(多少不満がくすぶったとしても)ひとまずまとまることができるからです。
こういう文化を醸成することで、長い歴史を持つ巨大与党の自民党に対抗できるまとめる力・まとまる力を得ることができるのではないでしょうか。
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