見出し画像

アスペクト比は写真の印象を決定する重大要素なので、単焦点レンズなんかにこだわるよりも、はるかに優先して学習すべき。ただし、習得にはすごく時間と労力がかかるよ。おまけに、ネットではしばしば強制的に変更させられちゃう。

出落ち記事です。
ほぼタイトルそのままです。
タイトル以上の内容はあまりありません。
いちおう、先日の記事をフォローアップする内容なので、野次馬根性が旺盛だったら参照してください。

さておき、まずはアスペクト比の説明から始めましょう。
キヤノンさんの写真用語集を参照してください。

ものすごくあっさりしてますけど、カメラだけで考えるなら、このぐらいでもなんとかなります。また、アスペクト比が写真の印象をどのくらい左右するかについては、以下のリンクを参照してください。カメラメーカーではなく、プリンターメーカーのブラザーがこのような記事を公開している点にも留意してください。

こちらもかなりあっさりというか、ほんとに必要最小限の内容です。とはいえ、これでもすでに初心者には情報過多なんですが、さらにややこしいのは写真は撮影時のアスペクト比で表示するとは限らない点です。
プリントする際には、印画紙などの用紙サイズによってアスペクト比が制限される場合がありますし、画面表示となったらディスプレイのアスペクト比が優先されます(ややこしい話ですが、写真のアスペクト比とディスプレイのアスペクト比はおうおうにして比率が異なります)。
その辺の事情も加味したフォトグラファー向けアスペクト比解説記事はこちらです。英文ですが、自動翻訳でもさほど問題ありません。

なんでこんなややこしいのかというと、アスペクト比には大きく分けて4カテゴリーあって、しかもそれらが混在しちゃったのですよ。古い順から簡単に説明しますね。

  • 印画紙のアスペクト比
    これは縦横比と称する場合が多いです。紙を裁断する都合で決まっていたため、サイズ名称に四切とか八切とかあるのは、その名残です。ただし、伝統的写真用印画紙と、印刷用紙のA判B判規格は縦横比が異なるので、インクジェット出力などの際には注意が必要です。

  • 写真用感材のアスペクト比
    ざっくり言ってフィルムの感光部分におけるアスペクト比ですが、ガラス乾板や金属板と、各種ロールフィルムの縦横比は異なっていて、さらにインチサイズとセンチサイズが微妙に混在しています。
    とりあえず、デジタルカメラの撮像素子アスペクト比は、基本的に写真用感材のアスペクト比とほぼ同じなので、フォトグラファーがアスペクト比という場合は、ほとんどがこれだと思ってください。

  • シネフィルム(映画用フィルム)のアスペクト比
    シネフィルムのアスペクト比は投影サイズに直結するので、プリント前提の写真用アスペクト比とは体系が全く異なります。動画のアスペクト比といえばこちらなので、間違えないようにしましょう(無理だけど)。

  • ディスプレイのアスペクト比
    モニタやディスプレイのアスペクト比は、紙や写真用感材のそれとはもちろん、映画用の比率とも異なっています。それはブラウン管や液晶を製造する際の都合から生まれたもので、映写アスペクト比の影響を受けつつ、独自に発展したためです。

ややこしいでしょう?
説明する自分もめんどくさいです。
ジッサイ日本語wikiなんか映写アスペクト比に話を絞って、他をバッサリ切っちゃってます。

これが英語版だとかなり網羅的になるのですが、それでもディスプレイのアスペクト比は別項目を立てたうえ、曖昧さ回避のページもあります。

なんで4カテゴリーが混在してるのか?
それはデジタル写真をディスプレイ表示するようになったってのが最大の要因です。また、それとは別にデジカメの撮像素子もフルフレームやそれ以上に大きさが増え、クロップズームが一般的になったってのもあります。
写真については、古くから撮影範囲をマスクしてアスペクト比を変化させていました。ただ、基本的にはフィルム交換を伴うため、撮影中のアスペクト比変更は実用性にとぼしかったのです。
特殊カメラにはフィルム交換せずにアスペクト比を変えられるものもありましたが、このへんの話はカメヲタの中でも極まった連中しか喜ばないので、存在に言及するだけ。

というわけで、デジタル写真になって最大の変化が、写真をディスプレイ表示するようになったってところなんですけど、それを理解していない、できない人たちが、いまだに銀塩気分で短焦点レンズの学習効果を唱えているわけです。
とはいえ、アスペクト比にこだわって構図をきっちり決めた写真でも、ネットにアップしたらソーシャルメディアのシステムや、表示される側のブラウザ、ディスプレイなどの都合でクロップされちゃって台無し、なんてzaraですよ。それでも、写真という表現手段に挑む人たちは、このややこしいアスペクト比を頭に入れつつ、自身の作品を制作しているのです。
それがめんどくさいと思ったら、安い短焦点レンズを買って気楽に撮って、写真を勉強しているつもりになるのも、ひとつの道です。

最後に

しかるに諸君、インプレ乞食は滅ぼさねばならない。

いいなと思ったら応援しよう!

Morihiro Matsushiro
¡Muchas gracias por todo! みんな! ほんとにありがとう!

この記事が参加している募集