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サブカル大蔵経875コナン・ドイル著/近藤千雄訳『コナン・ドイルの心霊学』
コナン・ドイル曰く〈霊〉こそ本来の姿。
それは、キリスト教再興への道でもある。
コナン・ドイルが医学部(エジンバラ大学)出身の医師で、眼科を専門にしていたことを知る人は意外に少ない。p.15
眼科医・ドイルが生み出した『シャーロック・ホームズ』とは何だったのか。
その〈推理〉という発明は、人間の本質を〈推理〉していたのでしょうか。
シャーロック・ホームズ・シリーズで得た印税収入のすべてを注ぎ込んだのであろう。そして、わずか2年後の1930年に71歳で他界している。p.19
釈尊の如し、晩年の心霊啓蒙の講演旅行。
何が、ドイルをそこまで駆り立てたのか。
キリスト教が、なぜ戦争の歯止めにならなかったのかと問いかけるのである。そしてその最大の原因は、キリスト教の教義がバイブルにいう"しるしと不思議"を無視した、いわば人工の教義である。p.18
第一次世界戦争という動機。家族を亡くした。
それが"死"である。それで本来の自分に戻るのである。つまり人間はもともとがスピリット、つまり"霊"なのであって、肉体は殻であり道具に過ぎない。したがって、地上生活にあってもそのこと、つまり本来は霊的存在で人は死後も生き続ける、と言うことがスピリチュアリズムの基本的認識である。p.22
ここまでが訳者の近藤千雄さんの解説。
大衆が教会に背を向けていく最大の理由は、正直言って、牧師の説くことを信じなくなったということである。p.77
現在の僧侶・牧師への提言として。
死よりも、むしろイエスの生きざまの素晴らしさについての言及が少なすぎると思う。イエスの偉大さと本当の教訓は、その日常生活にあったと思う。p.78
イエスの日常生活こそ拠り所。『聖☆お兄さん』を少し連想してしまいました。
"贖罪"とか"救い"とかの概念をみじんもない。あるのは、われわれ凡人にも実行可能な、納得のいく生活教訓である。これなら私も信じられる。私はスピリチュアリズムの知識に照らしながら新約聖書を改めて読み直してみて、キリストの教えの肝心なところが、初期キリスト教時代にすでに失われてしまっていて、その後のキリスト教徒が、今日に至るまで、それについて何も知らずにいることを知り、深く考えさせられた。p.80
原始仏教と大乗仏教の関係に似ていると思いました。釈尊の言葉や生活を基底に置く原始・小乗仏教から見た大乗仏教は救済や死後を説いている別物に映るでしょう。
以上で、神だと思っていた我々の先輩が実はどこかで生き続けていて、その一部の人たちと連絡が取れたと言う事は、間違いない事実であることに納得が行かれたと思う。p.183
ドイルの経験主義に基づいた論調。
そのたった一回の心理実験会での体験で、私は人間の能力を遥かに超えた目に見えない知的存在の実在を骨の髄まで思い知らされた。/以来40年近い人生の中で死後の実在を真剣に疑った事は1度もない。p.242
訳者・近藤千雄さんのあとがき。やはり〈経験〉してしまうと。
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