サブカル大蔵経675山口貴由『衛府の七忍』⑩(秋田書店)

Amazonレビュー総スカンだった最終巻。「今までの展開を回収していない」ということですが、リングに上がる谷津やUWFの書籍群を見ても、プロレスでは回収は30年後ですよ。気長に待ちましょう。

本作品で鬼と鬼退治側を描く中で、『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』のブームを山口貴由先生はどう思っていたのだろうか。シリアスな展開の中でのメタ的な台詞回しは、山口貴由が嚆矢のような気がします。

単行本カバーの両そでは、琉球とアイヌ。それぞれの鬼より放たれるキーワード。

これは、それぞれの民の〈浄土〉を表す。

前作を受け継ぐカクゴとハララよりも作者が描きたかったもの。

沖縄、蝦夷、朝鮮、忍者、異教徒、娼婦、そして奴隷。

北海道出身ではないが、リッカをウポポイのキャラにして欲しい。

アイヌ語を吹き出しの中に。対浦島太郎

浄土の居場所は海の上。補陀落渡海か。

人間の欲望と残酷を描く御伽噺の再解釈。

家康の伝承者・土井利勝。

幕府側のアンタッチャブル・千姫の下乳。