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サブカル大蔵経836マイク・モラスキー『日本の居酒屋文化』(光文社新書)
〈十条の斎藤酒場にはカウンターがない〉
類書とは一線を画す目から鱗の居酒屋本。
居酒屋について考えるモラスキーさんの偏愛が溢れすぎながらも、きちんと冷静に考察するところに信頼感あります。パブやカフェとの比較も心地いい。
そして、東京に偏らない全国の店のガイド本としても秀逸。実際に足を運んで呑んでいるのが心配なくらいすごい。
著者の慧眼は、札幌の金富士を選んでいることで、証明されていると思いました。
居酒屋は酒とつまみ以外に、何を提供しているのだろうか。p.9
家呑みの最中、あらためて提示される問い。何を求め、何が提供されるのか。寺院も参考になるような。
和洋のどちらにも当てはまらない酒場がある。例えば札幌の狸小路のロシア風居酒屋バール・コーシカ。先代店主は戦後シベリアに数年間抑留され、地元の人に親切にしてもらった縁で、帰国後にこの露日折衷居酒屋を始めた。p.21
狸小路のコーシカは2回ほど訪れたと思います。店物語。
今治の皮にはかなり肉がついており、パリッと焼いた皮とジューシーな肉のバランスが絶妙である。p.73
今治の鉄板押し付け焼き鳥食べたい!
岩見沢駅横の三船と言う焼鳥屋である。なんといっても珍しいのは品書きだ。串焼きは生肉(もも)そして「きも」の二種類しかない。p.77
三船は光文社新書御用達か?(笑)
新橋駅ガード下の極小立ち飲み専門串カツ屋「三」。有名な焼鳥屋の羅生門に隣接。これほど大阪の味に近い串カツ屋は東京では珍しい。p.86
東の聖地に西の名産が。この交流を眺める視点がたまらない。
大阪十三の角打ち「イバタ」で飲んでいると、第3の場にはホモソーシャルな空間が求められがちだと言うオルデンバーグの指摘に納得させられる。p.105
十三で檀家さんがバーを開いているので一度行ってみたいです。
東京の日本酒バーでは新橋駅前ビル1号館の1階にある「庫裏」が気軽に入れる。ドアなどもない立ち飲み屋なので入れると言う感覚ではなくちょっと立ち寄ると言ったほうがいい。p.109
新橋駅前ビル。
殺風景なビルの中に潜んでいるからこそ、異空間の側面が際立つ店もある。ススキノの焼鳥屋「金富士」(本店)がその好例だろう。何せ「金富士」のビルにはキャバクラだの、ホストクラブなの風俗店ばかりが密集しているからいっそう面白く感じられるわけだ。p.140
私が学生時代から通う最高の店。旭川の造り酒屋「男山」の直営店なので、酒を飲んでもらうために三杯まではお通し無料。焼き鳥も油揚げも玉子焼きも美味しい。本州のお客さんをよく連れて行きましたが、北海道らしいアテはないのと、冷房ないのでそれは申し訳なかったと思います。
たまに社会の常識に逆らいたくなることもある。かような軽い抵抗心を披露したくなる時、私の足は自然に赤羽に向かう。いこいや、喜多屋は早朝から開いている。座って飲みたかったら、まるます家が午前9時から開店する。p.154
世界でここだけの場所・赤羽。
札幌の地下鉄東西線円山公園駅の近くにある素朴の焼鳥屋「鳥孝」はそのような珍しい店のように感じられた。少なくとも私の経験では、カウンター席に腰をかけた瞬間から立ち上がって帰るまで、痛快な時間が絶え間なく流れていた。p.201
みのや雅彦の行きつけのお店まで掲載。
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