見出し画像

サブカル大蔵経678西尾正道『被爆インフォデミック』(寿郎社)

日本で最も多くがんの放射線治療をしてきた著者が説く、放射線の光と影。安全な放射線治療という光と、原発事故での恣意的な隠蔽という闇。まず正しい知識を持って欲しいという願い。

安全論と風評被害論の対立として議論されているが、どちらの意見も科学的には正しくはない。p.125

立場は違えど、統計データの正確な読み方の必要性と悪口に、参与を辞任した高橋洋一氏に何となく近いものをかんじました。

画像3

先日私も参加した著者の講演会では、講演の最後の方で倒れられてしまったのですが、来た救急隊員を返して、近寄ってきた人たちに講演の続きをうわごとのように語り出す姿に、正しいことを伝えたいとの科学者の矜恃を感じました。

画像2

ご無事で何よりでした!

画像4

本書のまとめとしては、

①原子力ムラの出すデータに騙されるな
②内部被爆を利用した放射線治療は有効
③同時に内部被爆の恐ろしさを知る
④長期的な観測やデータが必要

でしょうか。

あと、本書でも少し触れていますが、発達障害や引きこもりは農薬のせいだとおっしゃっていました。

本書の印税は奇特な地元の出版社寿郎社に寄付するとのことでした。

画像1

そもそもフェイクサイエンス(エセ科学)で塗り固められたICRP(国際放射線防護委員会)の全く実証性のない非科学的な内部被爆のインチキ計算をもとに、エネルギーの低いトリチウムを海洋放出しても被爆線量は低く安全であるとして、海洋放出しようとしているのてある。p.3

 トリチウムの海洋放出反対。科学的な議論なき決定。オリンピック開催是非も似たようなものか。

ICRPが全身影響を実効線量シーベルトという全身化換算したインチキ単位でゴマカシていることを理解し、正しい知識で原子力政策について判断していただきたいと思う。p.4

 とにかく、シーベルトを使ってはいけない。

まず正確なモニタリングポストの測定をすべきp.12

 高さや場所で全く違うとのこと。

このような原子力推進派のICRPやIAEAの立場は、広島・長崎の原爆投下により得られたデータを根拠に、急性被爆モデルによる外部被爆のみを問題とし、内部被爆の問題を軽視することにしている。p.16

 内部被爆が一番問題。特に食物もそう。

この結果を受けて、脱原発や反原発の立場の人たちは、放射線による甲状腺がんの多発を主張しているが、それもがんの増殖に関する自然史を考えれば無理がある。p.68

 私は原子力ムラにも反原発団体にも嫌われてしまっているので、講演会に呼ばれるのは久しぶりと仰っていました。

全国一トリチウムの放出量が多い玄海原発での調査・研究により、森永徹氏は佐賀県の玄海原発の稼働後に玄海町と唐津市での白血病の有意な増加を報告している。p.117

 ゾンビランドサガリベンジ。佐賀大丈夫か。

トリチウムだけは物資の化学構造式まで変えるのである。p.121

 遺伝子書き換えを体内でしてしまう。


いいなと思ったら応援しよう!

永江雅邦
本を買って読みます。

この記事が参加している募集