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サブカル大蔵経538西東三鬼『神戸・続神戸』(新潮文庫)
東京でも、大阪でも、横浜でもない港町。神戸で迎えた戦争。
さまざまな人種と人間。異星人がいてもおかしくない哀しみの『うる星やつら』。
野坂昭如も神戸で敗戦を迎えました。
二人はどこかですれ違っていたのか。
恩を受けたくないのです。p.22
ここに至るまでの波子という女の人生。
そもそも私が神戸という街を好むのは、ここの市民が開放的であると同時に、他人の事に干渉しないからである。p.44
トーアロード(東亜道路)の中途のホテルが城となり、神戸が舞台となる。
誰からも「原井さん」と呼ばれていた。p.54
エタイの知れない丁寧口調の原井さん。『めぞん一刻』四谷さんを彷彿とさせる。高橋留美子の世界は、戦中・戦後の神戸なのか。
中国婦人は、一日に数回、乳を与えに来ては泣いて帰った。p.69
はち切れそうな乳の女性は、空襲で赤子を亡くしていた。
まるで「人間」というものが目の前にゴロンと転がっているように感じられる。【解説・森見登美彦】p.189
すばらしい解説でした。
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