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サブカル大蔵経714真鍋昌平『九条の大罪⑴⑵』(小学館)

法律は人の権利を守る。だが、命までは守れない。(一巻p.179)

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法律に助けられる人、潰される人。

魔法のように法律を駆使する主人公が、神か悪魔のように描かれていきます。

しかし、どんな作品よりも、〈人間〉が浮かび上がります。

法律は善でも悪でもない。

人間の業が、可視化したものなのか。

法も律も、もともとは仏教のことばです。

法はダルマ、〈この世界を保持する〉というのがもともとのサンスクリット原語の意味です。

律は戒律というセットで、戒は自分で守ろうと決めた能動的な誓い、律はその組織で決められた受動的なルールという感じ。

法律はこの世界を保持するためのルール。

今イケてる企業は人の面倒な手間を省くことを生業にしている。/人は面倒くさいことから解放されたい。スマホは人間の願望を具現化したモノだから魅力的なんだ。(二巻p.87.129)

ヒールの方、騙す方が、この世界を、知恵を出して生きている。そこに貴賎はない。

本書は、弁護士二人の言葉遣いが丁寧なのと、背景が実在の場所を選んでいることが印象に残りました。

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一昨年訪れた立石の宇ち多"の商店街が背景になっていました。p.88.89

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この金網の張られたあき地もネット動画で見たことがあるような。p.130.131

なぜ、作者は空き地を描くのか。

空き地の風景は、ドラえもんの頃から随分遠くまで来てしまったような気もしますし、実はその頃から、こういう所だったのかもしれません。


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