サブカル大蔵経463マイケル・ルイス/中山宥訳『マネー・ボール完全版』(ハヤカワ文庫)
常識を捨てて、データ(テキスト)をありのままに見ること。
そして編集すること。
これがいかに難しいことか。
野球という結果の出る分野で、しかも興行というプロにおいて、結局何が正しいことなのか。
言葉と数字の遊びのような本当のような。
不可思議だ。
そして、野球そのものに、まだまだいろんな可能性があることを感じたし、結局堂々巡りで最初に戻るような気もしました。
100年以上経った今、エラーと言う概念だけが生きのびている。誰もがわかっているはずだが、明らかなエラーをしない才能など、メジャーリーグにとって重要ではない。極端な話、エラーを記録されたくないければ動作を少し緩慢にしてボールに追いつかなければ良い。不適切なデータは人を惑わす。p.114
エラーという記録の欺瞞。記録の取り方の根源と見直し。
残念ながら野球のデータは、実は選手一人ひとりの純粋な数字ではない。状況との組み合わせに左右される。p.120
陸上と違い、相手がいるスポーツ。
自軍のスカウトたちが、背が低すぎ、痩せすぎ、太りすぎ、足が遅すぎと切り捨てていた選手ばかりだ。直球が走らない投手やパワー不足の打者。本人がせいぜい15位指名と思っていたような選手を1位指名する。p.187
この辺りは西武を彷彿とさせる。
打率とかホームランとかはどうでもいいらしい。フォアボールを選べば、メジャーに昇格できる。p.236
本作が世に知らしめた出塁率という悪魔じみたワード。今年のロッテもこれで2位になったのかなぁ。
なぜだろう?アウトを取るというこの商売は実に不可思議だ。p.338
アウトをとる、殺すということ。
ホームラン以外のフェア打球は、ヒットになろうとなるまいと、投手には無関係なのではないか?/実はただの運なのではないか?p.357
ポテンヒットといい当たりのアウト