サブカル大蔵経434ウィリアム・H.マクニール/北川知子訳『マクニール世界史講義』(ちくま学芸文庫)
伝染病が世界史を形作った。
まさか現在を予言していた?
人物よりも、作物、天災、疫病、道具。
ヨーロッパよりも、中国、イスラム。
既存の常識やマウントが覆される。
〈世界史〉の再検証はスリリング。
アメリカをヨーロッパの拡張と眺める視点はアメリカの独自性を奪うのか。相違と類似の両方を認識できるように調整。p.35
アメリカとヨーロッパの関係
ヨーロッパ人の疫学的優位。伝染病に対する遺伝的免疫。p.46
この〈疫学的優位〉という言葉。初読の時も気になったが、今回あらためて浮かび上がる。この〈優位〉とは、ウイルスの抗体ができているということか?
インディアンもインカも先住民たちは、新参者の運ぶウイルスでやられたのか。ウイルスとは人間なり。
アメリカ原産の作物が旧世界人口に影響。とうもろこしはアフリカや南欧、ジャガイモは北ヨーロッパ、中国ではサツマイモ、トマトは地中海やインド。p.68・180
旧が新を支配したと思いきや、食においては新が旧を征服したのかもしれない。
イスラム教圏、商人と戦士の連携。キリスト教、儒教は、商人を非難。ヒマラヤ北部、仏教は商人の密接な関係。p.156
聖職者と商人の関係とネットワーク。イスラム教と仏教は商人と相性良し。真宗もたしかそのネットワークがあったような。近江商人と富山の薬売り。
近代の始まりは、中国宋の11世紀p.169
ヨーロッパよりも中国。たしかに、この頃のヨーロッパは暗黒かも。宋は羅針盤が実用化され、航行術高まり、宋銭も輸出。
イタリアはビジネス規則をイスラムやビザンチンから引き継いでいた。ヨーロッパの商業ネットワークは中国よりはるかに遅れたまま。p.172
中国→イスラム→ヨーロッパの順。
マルコポーロは中国の都市の規模に圧倒されています。p.172
元の先進性。
秀吉や徳川幕府、火薬が政治的統合を推進。p.182
織豊時代の世界史の中での位置づけ