サブカル大蔵経952「フリースタイル」50号2022年冬号
「フリースタイル」もついに50号。
コラム欄で、館浦あざらしさんと宇田智子さんという日本南北の本の英雄がお祝いのコメントを寄せています。
続く片岡義男さんのコラムで紹介していた『ピーナッツ日めくりカレンダー2022』もすぐ注文して、毎日めくっています。
「フリースタイル」は、毎年、「このマンガを読め」号しか購入してなくて申し訳ないのですが、今年は『日本短編漫画傑作集』を購入したので、吉田保編集長を少しは応援できたでしょうか。
「映画秘宝」での連載終了後、大西祥平さんの漫画選評が読める貴重な媒体。漫画ハムサラダの相方吉田豪さんと大西さんが選んだ作品は今年も重なりませんでした。
このnoteでの文章を愛読している鈴木ダイスケさんが『ハンチョウ』を推してくれていたのも嬉しかった。柳沢きみおや原秀則のことには全く触れていなかった^_^
大西さんと鈴木さんが重なったのは、渋谷直角『世界の夜は僕のもの』と、たらちねジョン『海が走るエンドロール』。
江口寿史さんが、日本短編漫画傑作集を10位に挙げながら、出版直後のTwitterでの炎上についてきちんと真摯にコメントを載せられていたのが感動した。昨年は地元の旭川美術館での展覧会でも感動したのですが、江口寿史さんに感動した一年でもありました。水道橋博士『藝人春秋diary』の挿絵も見事でしたし。
総合ベスト10だけでなく、選者それぞれの順位とコメントを読むとまたいろんな作品を読みたくなりました。
私のこの一年間のベスト10を考えると、
①定額制夫のこづかい万歳②きみにかわれるまえに③あなたはブンちゃんの恋④終末のワルキューレ⑤横須賀こずえ⑥国境のエミーリヤ⑦キン肉マン⑧衛府の七人⑨阿吽⑩ハンチョウ☆番外・柳沢きみお全作品
になります。
今回のランキングで上位になった作品も少し買いました。
真造圭伍『ひらやすみ』⑴(小学館)
上京居候生活モノとして『猫のお寺の知念さん』や『その女、ジルバ』と比較しながら読んでいました。
INA『つつがない生活』(リイド社)
つげ義春のような筆致。旅先は温泉ではなく外国でした。室内での情景をもっと読みたかったです。描かれる夫婦の姿に勇気づけられました。
トキワ荘が描かれる『トモガキ』で一番嬉しかったのは横山孝雄さんの描写。五年前に登別の知里幸恵記念館でお会いするという望外の体験をしました。本書でしっかりと描かれて、存在して嬉しかったです。