引っ越し
先月、4年間住んだ大好きな町から引っ越した。
準急と普通電車しか止まらないその町は、
朝のラッシュは本当にひどいし、便利なショッピングモールがあるわけでもないけれど、
生まれ育った場所以外で、初めて本当に大好きな町だなあと感じた場所だった。
家から少し歩いたところにある、こじんまりとした食料品屋さんでは何百回も牛乳と卵を買ったし、行きつけのお寿司屋さんでは一人で飲んだくれて大将に呆れられていた。
もう少し歩けば朝まで飲ませて貰えるバーがあって、そこのマスターには、
「あきちゃんは、うちのお店の2018年ナンバーワンお騒がせクイーンだよ」との称号も頂いた。
2015年の4月に前の旦那と別居することになり、
同じ時期に転職を決めたので、職場に電車一本でいける沿線上のマンションを探していた私は、駅を出たらマンションまで桜がずらーっと満開だったその場所に一目惚れして、勢いで住むことを決めた。 (家賃が高くてビックリもした)
今年で丸4年、ちょうど更新の時期がきた時、私は今の恋人と別れる別れないの話をしていた。
なんとかもう少し頑張ろうという話に落ち着き
マンションの更新の話をしたところ、恋人がこう言ってくれた。
なんて素敵な考え方をする人なんだ!という気持ちと、
彼の気持ちが変わらぬうちに、とりあえず試しに引っ越してしまおう!という気持ちで4年間住んでいた部屋を引き払うべく準備を始めた。
もともと荷物が人以上に多いため、何回も「もう無理!引っ越せない!」となって親や友人に泣きつきながらも、二日程徹夜しなんとか、本当になんとか引越しが終わった。
引越し間際には、「本当にこれでいいんだろうか?誰かと住むことできるのかな…せっかく今でうまくいっているのに」と引越しブルー的なものになって、勝手にたくさん悩んで泣いた。
私には言ってこなかったけれど、15歳から親元を離れて寮暮らしし異性と住んだことのない自己完結型の恋人も色々考えていたんじゃないかなと思う。
引越しを終えてからそろそろ1ヶ月。
毎日が「うふふ♡」みたいな日ばかりではないけれど、自分で決めたのだから楽しく生きようと思っている。
私の好きなソラニンという歌の中の歌詞で
「たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする
きっと悪い種が芽を出して
もうさよならなんだ」
というものがある。
一度失敗しているからこそ、私の中ではすごく勇気がいった決断だったのだけれども、ゆるい幸せをだらっと続けることよりも、後悔しなさそうな方を選んだ気はするので、とりあえず良しとしよう。
仕事から帰って来た恋人は今隣で携帯ゲームをしながら晩酌をしている。
まあそれでいいや。というかこれでいいな。
そろそろ寝よう。
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