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読書が苦手な方に本を薦めるなら、何がいいんだろう?

苦手な人に薦めるなよ!とは思うんだけど、でも「何から読めばいいですか?」と聞かれたとき、どんなふうに答えればいいんだろう?

実は最近そういう事があって、「何から読めばいいですか?」と聞かれたときに、咄嗟に答えたんだけど、本当にあれで良かったのかちょっと悩んでいる。

苦手なのに挑戦しようとしてくれている事が嬉しくて、本気で答えたいと思ったんだけど、思いが強すぎて冷静に考えられなかった気がしている。

まず、「読書が苦手」という事が本当に分かってるのかな、私。
文字情報の取得に先天的なハンディキャップを持っている人もいるだろうし、猛烈な眠気に襲われるとか、空滑りして内容が入ってこないとか、別のことが気になって集中が続かないとか、「苦手」の内容は多種多様なはず。

挿絵があれば、会話文が多ければ、一文が短ければ、文字が大きければ乗り越えられる場合だってあるかもしれない。

いろんなパターンがあるはずなのに、相手の人がそのどれに当てはまるのか(それともどれにも当てはまらないのか)確認せずに、なんだかポンと紹介してしまった気がする。

ただ、相手の人に一つ一つゆっくり質問できない場合もあるかもしれないし、あんまりズケズケ聞いてしまうのもなぁ、という気持ちもある。

そういうときに広くお勧めできる、ある程度安心してお勧めできる本ってなんでしょうか?

ちなみに、私はそのときには、リアルな感情の機微や、人と人との温かな繋がりに関心がある方だと思ったので、マイケル・オンダーチェの『名もなき人たちのテーブル』をお勧めしたんです。


だけど後から考えてみて、その条件ならミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』の方が当て嵌まってるんじゃないかと思ったり、


読書が苦手な人に純文学なんか勧めていいの?それより読みやすいSFのケン・リュウ『紙の動物園』が良かったんじゃない?とか思ったり、


もうとにかく脳裏を様々なタイトルがよぎって落ち着かなかった。

そして最後に辿り着いたのが児童文学というジャンルだったんだけど、
残念ながら、私自身だいぶ後になってから小説を始めたというのもあって、ミヒャエル・エンデ『モモ』くらいしか読んだ事がないことに気付き、

そうか、児童文学はだからこそ存在するんだ!

と目が覚めたら気持ちだった。
「児童」なんて付いてるからややこしいけど、これから読書を始める人のためにあるジャンルなんだ、と。

なので、今年の後半戦は児童文学にも挑戦してみようと思います。
私自身も、これから読書を始めるんだという気持ちで。

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