フィボナッチの道具箱
イタリアの数学者フィボナッチ(1170~1259年頃)が紹介した数列を「フィボナッチ数列」と言う。 1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377と連なる数列なのだが、「どの数字も前2つの数字を足した数字」という規則をもった数列である。
1+1=2|1+2=3|2+3=5|3+5=8|5+8=13|8+13=21…。
面白いことに、自然にはこの数列をもったものが多い。ひまわりにもこの数列でできる螺旋があるし、松ぼっくりの鱗の配置模様もそうだし、花にはこの数列の花びらの数をもつものが多いともいう。
この数列はいわゆる黄金比とも一致している。この数列に現れる数で形を作り計算するとこの黄金比になる。1:1.618がそれである。
この数列でできた渦巻はひまわりだけではなく、台風の形にも一致しているという。ここで詳細を語るよりグーグルで検索いただくといい。
自然界には何らかの法則があって、フィボナッチ数列はその法則の発見だったのかもしれない。
このような美しい数列、それによって生まれる形態の美しさも感動的であり、その数列を音符に置き換えた音楽の美しさも聴くことになると、デザインにこの数列を使わないでいることは難しい。
Encoding the Fibonacci Sequence Into Music
僕がデザインしたのは単純なデスクで用いる文具のための箱である。素材を変えた蓋を設けてその数列の美しさを表現している。
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《黒川 雅之》
愛知県名古屋市生まれの建築家・プロダクトデザイナー。
早稲田大学理工科大学院修士課程卒業、博士課程修了。
卒業後、黒川雅之建築設計事務所を設立。
建築設計から工業化建築、プロダクトデザイン、インテリアデザインと広い領域を総合的に考える立場を一貫してとり続け、現在は日本と中国を拠点に活動する。
日本のデザイン企業のリーダーが集う交流と研究の場 物学研究会 主宰。
〈主な受賞歴〉1976年インテリアデザイン協会賞。1979年GOMシリーズがニューヨーク近代美術館永久コレクションに選定。1986年毎日デザイン賞。他、グッドデザイン賞、IFFT賞など多数。
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