utmパラメータ最適化①「パラメータ管理をしよう」
utmパラメータ最適化と題して、マーケティング活動におけるutmパラメータ活用の問題解決や最適化を目的とした情報をいくつかの記事に分けて発信していきます。
初回は、utmパラメータ管理の方法についてです。
なぜutmパラメータ管理が重要か
まず初めに、utmパラメータ管理が重要な理由を解説します。
データ集計の難易度も工数も大きくなる
utmパラメータはGA4(Google Analytics4)で効果測定するためにURLに付与するものですが、だれでも自由にパラメータの値を付与できてしまいます。
もし付与ルール含めた管理を全社的に実施していない場合は、部署ごとや個人ごとに独自のルールでutmパラメータ値が付与されることになります。すると、いざGA4でutmパラメータを用いて施策の結果集計をしようとしたときにフィルタで関係ないパラメータ値を除外しきれなかったり、フィルタ処理作業だけで多大な工数がかかったりとデータ集計に大きな支障をきたします。
会社規模が大きくなるほど不規則性は増していきカオスな状態となっていきます。そうなるともはや効果測定をしても正しい結果を得られないといったことも起きえます。
計測データを後から書き換えることはできない
一度計測されたデータを後から上書きすることができません。バラバラなパラメータ管理を続けているかぎり、最新のデータにもこの負債が残り続けてしまいます。
utmパラメータ管理を行えば、それ以降のデータからは集計上の不都合は発生しません。問題を放置せずに早めに対処することが肝要です。
このような問題を回避するためにパラメータ管理は非常に重要になるのです。
utmパラメータの管理方法
utmパラメータの管理方法は、
エクセル上で管理する方法
システム上で統合管理する方法
の2つのいずれかの方法を採用している会社がほとんどです。前者はだれにでも扱いやすい反面、重複や記載漏れが発生したときのリカバリがむずかしく、後者は抜け漏れが発生しにくい反面、導入コストやメンテ工数が安くない金額で発生するため、一長一短です。
最初はエクセルでの管理を推奨
とはいえ導入しやすい前者を採用する会社が多いのが実際のところです。大きな会社でもエクセルでの管理がうまくいってからシステム連携を検討する形で十分です。
エラーを防ぐ運用をする必要あり
デメリットの根本的原因である重複や記載漏れを防ぐためには、
エクセルファイルの編集権限は限られた少数の社員で行う
パラメータ発行時の申請フローを整備する
の2つをやることで多くは防ぐことが可能です。エクセルファイルが破損して開けなくなることも考慮して、定期的にバックアップファイルを作成することも忘れないようにするとよいと思います。
utmパラメータ値の付与ルール策定方法
具体的なルール内容については別記事でケース別の推奨ルールとして紹介するので本記事ではコメントはしませんが、全社で統一のルール策定を進めるにあたってのプロセスについて簡単に触れておきたいと思います。
たたき案を最初につくるべき
結論から言えば、全社のutmパラメータ付与ルールを策定するには、
パラメータ管理する予定の部署がたたき案をつくる
関係部署にたたき案を提示して修正リクエストを集約する
受け入れ可能なリクエストは修正して確定案をつくる
全社に周知する
というプロセスが最も進めやすいです。
たたき案を作る前に関係部署にヒアリングするのは関係部署が少なければ良いのですが、関係部署が多すぎたり関係部署にいわゆる声の大きい人がいたりするとそんなことをしていては前に進みません。そのため、たたき案を提示してまわるのが最も効率的で労力が少なくて済みます。
定期的にルールが守られているかチェック
ルールはつくるよりも浸透させることの方がむずかしく、ルール導入直後は守られていても入退社や異動で社員の入れ替えがあればルールが守られてないといったことは必ず発生します。
そのため定期的にルール外のパラメータ付与がないかGA4でチェックは必須です。どの部署がルール外のパラメータ使用をしたかはパラメータだけでは判別できないことから、関係部署の代表者をすべてに宛ててメールかチャットで連絡することになります。
少し煙たがれてもルールを守るように周知し続けてようやくルールが浸透していくものです。定期的なチェックは欠かさず実施していくことをおすすめします。
次の記事
次の記事では、実際にutmパラメータにはどんなルールで値を付与すればよいかについて解説します。