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スーパーボウル ハーフタイムショー 個人的ベストアクト5選

突然ですが、皆さんはどんなスポーツが好きですか?

僕自身はかつてはそこまでスポーツ観戦に強い興味はなかったのですが、数年前にとある仕事に関わったことがきっかけで日常的にNBAを観るようになりました。学生時代にアメリカに留学した頃にカレッジフットボールを観て、アメリカのスポーツのエンタメ性の高さに惹かれましたが、プロスポーツを観る機会にはなかなか恵まれませんでした。社会人になって偶然にも現地でNBAを観戦することになり、対戦相手のチームには当時NBA1年目だったあの渡邊雄太選手がいたことも後押しして、見事にNBAの世界にのめり込みました。ちなみに私はポートランド・トレイルブレイザーズを応援しています。(留学先がオレゴン州の大学だったから)

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ところで、音楽とスポーツって意外と密接な関係ですよね。例えばNBAはヒップホップとの繋がりが深いです。カナダ出身のDrakeは彼の出身地トロントをホームとするラプターズの大ファンで、チームの公式パートナーに抜擢されたり、ユニフォームのデザインまで手がけるほど入り込んでいます。

地元出身のラッパーへのリスペクトをユニフォームに落とし込んだチームもあります。ブルックリン・ネッツは地元出身のヒップホップレジェンドNorotius B.I.Gにインスパイアされたデザインのユニフォームを、2018-19シーズン、2019-20シーズンそれぞれで作っています。Norotius B.I.Gは他チームも含め、今なお多くのNBAスターに愛聴されていますね。


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ちなみにラッパーとしても活動する現役のスター選手もいます。僕の推しチームであるポートランド・トレイルブレイザーズのエースであるDamian Lillard、彼はDame D.O.L.L.A名義でラッパーとしても活躍し、Lil WayneやSnoop Doggといった人気ラッパーとも共演しています。Spotifyのリンクも貼るので興味ある方は是非!



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そして音楽との関わりの深さという観点で欠かせないスポーツといえば、何といってもアメリカンフットボールでしょう。なぜならアメリカンフットボールの最高峰NFLの最終戦であるスーパーボウルのハーフタイムショーは、毎年世界のトップアーティストが最高のパフォーマンスを披露する舞台でもあるからです。毎年NFLファンのみならず、世界中の音楽ファンからも注目されるスーパーボウルのハーフタイムショー。なぜスーパーボウルに音楽界のスーパースターが出るのか?その理由も簡単に説明しつつ、私のお気に入りの過去パフォーマンスを紹介します。

スーパーボウルのハーフタイムショーとは?

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スーパーボウルはアメリカのプロフットボールリーグNFLのアメリカン・フットボール・カンファレンス (AFC) とナショナル・フットボール・カンファレンス (NFC) の優勝チーム同士が戦い、その年のNFLチャンピオンを決定する、アメリカ最大のスポーツイベントの一つ。毎年2月上旬の日曜日に行われ、そのチケットは現職のアメリカ大統領ですらとることができないとされるほど入手困難。視聴率も全米では他のどのスポーツの優勝決定戦よりも高く、単純計算でなんとアメリカ国民のおよそ2人に1人が観るほど。まさにアメリカの国民的イベントの一つなのです。

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そんなスーパーボウルの前半と後半の間で行われるのがハーフタイムショー。アメリカのスポーツ(アメフト、バスケ、アイスホッケーなど)ではレギュラーシーズンでもハーフタイムショーが行われていますが、スーパーボウルは他の追随を許さないほど豪華で、メインアクトは毎年音楽シーンのトップアーティストが選ばれています。過去にはThe Rolling StonesThe WhoU2と言ったロックの大御所からThe Black Eyed PeasMadonnaLady Gagaと言ったポップスターまで幅広く人選しています。加えてサプライズ出演するゲストの面々も勢いのある人気アーティストたちをフィーチャーするなど一切妥協なし。直近10年だとRed Hot Chili PeppersLenny KravitzTravis Scottとフェスのヘッドライナーを務めるようなアーティストが出ています。そしてスーパーボウルのハーフタイムの一番すごいところは、およそ15分という限られた時間内で最高のエンターテイメントを作り上げているということ。スタジアムにいる観客だけでなく画面越しでその様子を見守る何億人もの視聴者を楽しませる必要があるなど、普段のライブ以上に制約があります。そのような中で様々な手法を凝らされたパフォーマンスを繰り広る唯一無二のステージは、アーティストたちにとってはまさに一生に一度の大舞台なのです。

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今でこそ世界的アーティストが毎年出演するスーパーボウルのハーフタイムショーですが、初めからここまで豪華なキャスティングがされているわけではありませんでした。元々80年代はまではカントリーミュージックアーティストが務めることが多かったハーフタイムショーですが、その時間だけ視聴率がガクッと下がるという現象が毎年起きており、関係者を大いに悩ませていました。そこで視聴率改善のため、NFLが1993年にハーフタイムショー出演をオファーしたのが、当時人気絶頂にあったKing Of PopことMichael Jackson。彼の出演によりその年のハーフタイムショーは前半戦以上の高視聴率を叩き出すという大成功を収め、以降ハーフタイムショーでは豪華アーティストのキャスティングがされるようになったのです。ちなみに、出演後にMichaelがギャラの受け取りを断ったことがきっかけで、以降のスーパーボウル出演者もノーギャラで出ているそう。(ただし宿泊・交通費等最低限の経費は出る)アーティストにとってスーパーボウルへ出演することは「大変名誉なこと」であり、「成功の証」となるのです。

1993年のMichaelの出演以降、毎年豪華なアーティストたちが出演してきたスーパーボウル。そんなハーフタイムショーの中で、僕が個人的にお気に入りの5つのアクトを年代順に紹介します。


① Michael Jackson (1993年)

一つ目はその1993年のMichael Jacksonのステージ。スーパーボウルにトップアーティストが次々出演するきっかけを作ったパフォーマンスです。内容は当時実施されていたアルバム『Dangerous』のツアーをベースにしたもの。ハーフタイムという時間的制約が厳しいステージながら、全盛期のMichael Jacksonのすべてが詰まった最高のパフォーマンスとなりました。出だしのステージ下からの登場と数分の仁王立ちはあの伝説の「Live In Bucharest」と同じ。途中「We Are The World」の合唱が響く中、Michaelが杖で観客席をなぞると観客一人一人がもっているパネルが裏返り、様々な人種の子供たちの絵が浮かび上がるという大がかりな演出が。ただ観客を楽しませるだけでなくしっかりとメッセージを込めているあたりが、非常にMichaelらしくて印象的です。

② Prince (2007年)

2つ目は2007年のPrinceのパフォーマンス。これがまたプリンスのクールさが凝縮されていて最高なんですよね。特にみて欲しいのが中盤でやるカバー曲のメドレー。披露したのはCCRの「Proud Mary」、Bob Dylanの「All Along The Watchtower」、そしてFoo Fightersの「Best Of You」。フーファイのカバーが意外すぎるんですが、衝撃的なかっこよさなんです。割と原曲に忠実なカバーをしていて、その点もポイントが高いです。それからこの年のスーパーボウルは大雨が降っていました。そのラストを飾ったのは名曲「Purple Rain」。偶然に偶然が重なった伝説の瞬間となりました。プリンスのスーパーボウルのパフォーマンスは多くの批評家にも評価され、2014年にビルボードが発表した「最も優れたスーパー・ボウル ハーフタイムショー ベスト10」で第1位に輝いています。

③ Bruce Springsteen & The E Street Band (2009年)

3つ目は2009年に出演したBruce Springsteen。安定の盟友E Street Bandとのステージです。まず出だしのボスとE Streetのサックス奏者Clarence Clemonsのシルエット、この時点でもう優勝です。いやいや、カッコ良すぎでしょ! アメリカで常にロックシーンの最前線で活躍してきたボス、舞台がスーパーボウルになってもそのエネルギッシュなパフォーマンスは変わらず、むしろさらに熱量を増していました。1曲目の「Tenth Avenue Freeze-Out」からステージ下のオーディエンスにマイクを向け、スタジアムにいながらライブハウスでやっているかのように振舞うボスの姿は本当に感動ものです。ここ数年はロックバンドの出演が少なくなってしまったスーパーボウルですが、やっぱりロックバンドのライブは一体感が半端じゃないのでむしろスポーツイベントには最適な気がするので、またロックバンドをキャスティングして欲しいなと、ボスのハーフタイムショーを見返して改めて思いました。

④ Bruno Mars (2014年)

4つ目は2014年のBruno Marsのステージ。すでに当時ポップミュージックの頂点に君臨していたBruno。そのステージは子供たちによる「Billionare」の合唱からの、Brunoによるドラムソロ(!)から始まります。このドラムソロがめちゃくちゃかっこいい。ドラムを叩きながらステージに上がり、キレキレなパフォーマンスと共に「Locked Out Of Heaven」「Treasure」「Runaway Baby」を披露。だんだんと盛り上がっていく曲の配置が本当うまいなと思いましたね。そしてハイライトはなんと言っても「Runaway Baby」の後に降臨するRed Hot Chili Peppers!「Give It Away」のイントロが始まった時はもう本当に鳥肌が立ちました。こんなかっこいいロックバンドの登場シーンは見たことがありません。全米に中継される大舞台でも上裸でAnthonyとFleaもさすがでしたが。笑 

⑤ Coldplay (2016年)

ラストは2016年のColdplayのアクト。この年はスーパーボウル50回目の開催という節目の年で、豪華さも例年以上に磨きがかかっていました。メインのColdplayの演出は彼らが前年にリリースした傑作アルバム『A Headfull Of Dreams』を意識したカラフルで祝祭ムードあふれるもので、そんな中始まる「Viva La Vida」の多幸感は何にも変え難いもの。そしてゲストはなんとBruno MarsとBeyoncéという、 以前にスーパーボウルのハーフタイムショーのメインアクトを務めた二人。Brunoは当時チャートを席巻した「Uptown Funk」をコラボ相手のMark RonsonのDJと共に、Beyoncéは同年にリリースしたアルバム『Formation』のタイトルトラックを初披露という、スペシャルな演出でお祭り感MAX。ラストは再びColdplayの演奏に戻り、過去のハーフタイムショーの映像が流れる中、「Clocks」のイントロから「Fix You」「Up & Up」で大円団を迎えます。個人的にU2の映像に合わせてChrisが「It's a beatiful day!」と歌うところが好きです。


いかがだったでしょうか。毎年アーティストたちが趣向を凝らしたパフォーマンスを披露するスーパーボウルのハーフタイムショー、15分という制約の中に詰め込まれた極上のエンターテイメントの魅力が少しでも伝わればなと思います。
今回紹介したステージ以外にも、さまざまなアーティストたちが毎年多くの人の記憶に残る素晴らしいパフォーマンスを披露しています。YouTubeで再生リストも作りましたので気になる方は是非チェックを!


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