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たびぷらす vol.2-13 ~ 沖縄ぐるぐる day 2
「 たびぷらす 」
ますだ家の「たび」とそのまわりにあるお話です。
2014年のたびぷらす「沖縄ぐるぐる」の再掲です。
ちゃんや~を後にして、本部半島の西側をぐるっと回って再び名護市に戻ります。
名護には、沖縄以外でもよく見かけるようになった オリオンビール の工場があって、工場見学や飲食ができる オリオンハッピーパーク という施設が隣接されています。
この他にも、名護市には見学のできる泡盛の酒造所が2箇所あって、そのひとつは、 ヘリオス酒造 。
こちらでは「くら」という泡盛のほかに、クラフトビールも作っています。何年か前に一度立ち寄ったことがあります。
そしてもうひとつが「國華」の 津嘉山(つかやま)酒造所 です。
沖縄で唯一、戦前からの木造建築で泡盛を作り続けているということで、ぜひ行きたいと思っていました。
サイトで確認したところ、見学受付は16時まで。
ちゃんや~で思いの外ゆっくりしていたので、名護に着いた時にはすでにその時間を過ぎています。それでも建物だけでも見れればとダメもとで向かいます。
入り口をくぐると人影が見えたので、声をかけてみると、「いいですよ」という返事。既に閉められていた雨戸を再びごそごそと開けてくれました。
こちらの建物は、国指定の登録有形文化財。
2012年10月の台風17号で被害を受けたために、酒造設備の一部を周辺に移し、木造の母屋の保存・修復事業が行われています。
まず最初に、敷地内の仮設事務所の2階から建物全体を見せていただくと、屋根に穴が空いているのが見えます。
それにしても見事な赤瓦。
いかにも沖縄っぽい風景ということで、グラビアアイドルの写真撮影に使われたことも何度かあるとか。(水着のねーちゃんが屋根に乗ってる写真を見せてもらいました。)
建物は確かに古びてはいますが、しっかりとした造り。泡盛独特のあまーい香りが漂っています。
建物の西側が酒造所で、東側が住居。
住居側には縁側が廻らされていて、そこから望む庭には小さな池が造られています。
植えられている木々も年月を経て立派に育っていて、中でも葉を茂らせた大きなガジュマルがひと際目立ちます。
いかにもな「気」が満ちているなぁ、と思っていると
「キジムナーが棲んでるんです。」って…?!
キジムナーは、沖縄にいると伝えられている、こどもくらいの背丈の赤い髪をした精霊。
宴会の時などにいつの間にか座敷に紛れ込んできたり、雨の日には縁側を走り回ったり、雨戸をあけるときに、外の天気を伝えてくれたり…という。
この場所にいると、その存在がいつも近くに感じられるんだそうです。
そんな話にも、「あ、そうだよね♪」と妙に納得できる雰囲気があります。
昭和の初めに立てられたこの建物。
戦争の時に上陸したアメリカ軍によって周囲の建物はほとんど破壊された中、ここだけは残されたそうです。
敷地も広く建物も立派だったので、終戦後の米軍の拠点として使うことが予め想定されていたのでは?という話。
柱にはところどころ、英語の落書きが残っています。
一通り建物を見せていただいてからは、「國華」という泡盛のお話をうかがいます。
もともと良質の水に恵まれる名護の土地で泡盛を造り始め、一時期は東京にも販売所があったそうなのですが、大手酒造の台頭から昭和の終わりごろに販売不振からしばらく休業に陥ります。
平成に入って再び酒造が始められましたが、決して多くはない生産量なので、地元の人たちを中心に呑まれている泡盛です。
土地の水と食べ物と、そこで造られたお酒をたのしむ。いま改めてそういう文化を大切にしないと、思います。
相方が貴重な古酒も含めて何種類も味見をさせていただきました。
いつものことながらうらやましい…
あれこれ悩んで、10年物の古酒を買わせていただきました。
このまま家で寝かして、さらに熟成させようと思います。
キジムナーに見送られながら津嘉山酒造所を後にして、国道58号線を南へとクルマを走らせます。
(続く…)
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