『文字書きのためのゲームシナリオのつくりかた』補足
この記事は、下記のイベントの補足になります。(時間の都合で質問に答えられなかったものもあったので)
事前にメモをしていったものを、せっかくなので書き残しておきます。昨日答えたものや、下村さんと同じような回答は省略します。
※昨日来た人向けの記事で、トーク内で話した内容は載せていないので、「一般的にはこう考える」という点は抜けてると思います。あくまでも補足です。
自分がどのようなものに携わってきたかは、下記のHPにあります。(ゲームはここに載せていないものもあります)
スマホゲームよりも、家庭用の据え置きのほうが多いです。ゲームシナリオの仕事にもいろいろありますが、自分の場合はプロットや設定段階から入ることが多いです。
<補足>
Q.ゲームのシナリオライターになるには
トライアルや採用試験を受ける、エージェントやシナリオ制作会社に登録するが基本。(昨日話しましたが、自分は異業種からの別ルートです)
そして、交流会などできっかけを作るのは良いと思います。実績があれば後日に依頼されることもあります(実績がない場合はいきなりは頼みにくいです)
ただ、不特定多数の人たちが集まる大規模交流会は、ギャラ不払い業者や地雷案件が混じっていたこともあるので気をつけましょう。自分は被害に遭ってないですが、名刺交換した相手が燃えているのを見たことあります。
Q.シナリオにおいてすごく参考になる、お手本になるゲーム作品名を教えてほしいです
物語がおもしろいものはゲームに限らずいろいろあるので、ゲームでしか表現、体験できないものがゲームシナリオとしては優れていると思います。
それで、ゲームでしか体験できないものの代表としては、選択や分岐が多数あるもの。
最近では『十三機兵防衛圏』がとてもおもしろかった。ただ、質問の”参考やお手本”にできるかというと、この作品はシナリオライターの範疇を超えていて、プロデューサーやディレクターレベルでのお手本になる気がする。(シナリオで参考にするならキャラや設定の浅いところまでにしておかないと深みにはまっていく…)
話題に出ていた『ever17』は同じく衝撃的でしたが、そこに至る過程が、2024年にやると、長く感じるかもしれないです。
『FE風花雪月』『ライフイズストレンジ』は未プレイならやるといいと思います。インディー系でほかにもいろいろありますが割愛します。
Q.小説に比べ、ゲームシナリオにおいて重要になるスキルや考え方は、どのようなものがありますか?
昨日答えたものの補足で、伏線の配置や印象づけは小説や映像とけっこう違うんじゃないかと思います。小説や映像で毎日ログインする、何十時間も遊ぶ、ということはしないので。
ゲームを飛び飛びでやっていて、三か月前にプレイしたあれが伏線だったのかも、、、と思い出すのはなかなか困難だし、小説や映像のように巻き戻しで確認するのも難しい。
Q.監修者の立場になることはありますか? その場合、執筆者であるライターへは修正指示をすることもあるかと思いますが、その際の伝え方で気をつけていることなどありますか?(私はシナリオ監修をしているのですが、ネガティブフィードバックになりがちなので、伝え方に悩むことがあります)
悪い点については、抽象的ではなくて、納得できる具体的な理由を挙げる。具体的な理由に加えて、自分ならこうするというアイデアもセットで伝える…とか。基本的には「~のほうがよいのでは」とか提案ベースですが、矛盾しているとか全然ダメだと感じたところはばっさりいきます。
おもしろいところは、「おもしろかった」とか書きます。
Q.今からゲームシナリオライターを目指す人に、絶対に言っておきたい事があればお願いします。
ゲームシナリオライターになるのは、10年前に比べたらとても簡単だと思います。コンテンツが多いので。
だから「目指す」の先の、スキルを意識的に身につけましょう。あと現場で実践しないと身につかないことも多いので、「とりあえず飛び込む」といいです。トライアル受からないとかズタズタにされるとかあるかもしれませんが、それはそれで。
Q.書いていて、ときどき道に迷ったような感覚になるときに立ち戻るためのポイントのようなものがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
書いている最中にはあまり迷わないんですが、それは書く前に指針や構成を決めているからだと思います(小説だとプロットを詳しく書く)。
なので、立ち戻るとしたらプロットで、迷わない対策を万全にするほうが大事かと思いました。プロットで迷うならその前の段階の、キャラや設定を固めておく。
Q.世界観や細かな設定などの説明を退屈にさせない方法(なるべく説明を短くする、会話の中でさりげなく入れるなど)など、意識されていることがございましたら聞きたいです。
挙げられていることや、昨日話題に出たことに加えて、「ここは大事な説明なので、プレイヤーさん意識して読んで」と思わせるようにセリフで誘導をする。あとはハリウッド教本に載っているような「説明パートの工夫」をします。
懇親会でちょっと話題になったんですが、ハリウッド教本でおさえておけば間違いないものは下記です。
・『SAVE THE CAT』
・『物語の法則』
あと名著がいくつかあるんですが、絶版品切れなのでここには書きません。(すぐ絶版になるので、新刊が出たら読む時間がなくても即買いするようにしてます)
長くなるのでこのへんで、また何かの機会があればそのときお話しします。
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