「それでも世界が続くなら 水色脱兎緊急避難所2023」感想みたいなもの。
世界はいつも残酷だ。
勝ち負けとか善悪とか上下とか何かにつけて順位を付けたり、優劣をつけたり、損得勘定で全てを判断して「お前は劣って居るから俺より下なんだからそんな態度するんじゃねぇ」とか個人的な曖昧模糊な判断基準がモラルでありマトモだと訳知り顔で答えたりする。
これが正しくて正解なんだからそれ以外の全ては「間違っている」と決めつけられる。
それがこの世の中の理屈らしい。
僕ら社会不適合者。
「間違っている」と決めつけられたはみ出し者達。
この世界には居場所は無い。
そんな下ばかり見ている僕らに居場所を作ってくれた彼ら。
それが「それでも世界が続くなら」という名前の不器用過ぎるバンドだ。
今回は彼らがシリーズにしているワンマンライブの真っ昼間に行われたライブ。
しかも入場料無料。
部屋に閉じこもって社会を拒絶している僕らの為に開かれた安全地帯の開放と出会いの場というコンセプトで開かれたライブだ。
結成12年の記念ライブでもある。
ヴォーカルギターの篠塚将行氏の決して上手では無い唄や叫び、言葉は何故か胸をざわつかす。あのギターノイズや力強いリズム隊の鼓動は僕らの止まりそうな心臓の音と心の叫びにリンクする。
そしてこんな僕らに「生きていてほしい!生きていて良いんだよ!」と僕らを肯定する。
たったそれだけのこと。
たったそれだけのことなのに、僕らにとっては重要で大事件でこんなにも優しく、酷く切ない世界を輝かしく美しく見させてくれる。
明日になればまた死にたくなるかも知れないけど、このひとときだけは常に生きる希望を持って生きて良いと肯定してくれる。
それが僕らにとって薬よりも何よりも尊い。
後ろに下がるよりも少しでも前に進む力を与えてくれる。
音楽には力なんか無いと言う人も居るかも知れないけど、僕にとっては生きる力を与えてくれる。確実に。
目を瞑ってライブハウスの天井を見た。
ギターノイズの海の中で大きな波に揺られながらただよっていた。
確かに昼間でも星が綺麗に見えた気がした。
そんな気がした。
今日も生きて抗うよ。
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