iOSアプリ『大辞泉』バージョン4.0、新機能満載で公開!
HMDT開発による、iOSアプリ版『大辞泉』。最初のバージョンが登場したのは、App Storeの登場間もない2009年のことだったんだよね。そこから紆余曲折がありながらも、連綿とバージョンアップ続けてきました。
そしてそして満を持して! この度バージョン4.0として大幅にバージョンアップすることになりました! もう、見た目から何から全部違うからね。現時点でのデバイスやソフトウェアのトレンドを見定めて、「あるべき辞書アプリの姿」をもう一度考え直してみたんだ。
たどり着いたコンセプトは、2つ。「紙に追いつき、紙を超える」「読んで、編纂して楽しむ」。このコンセプトをどう落とし込んでいったのか、バージョン4.0の新機能を紹介しながら説明していこう!
30万語を一気にスクロール! 辞書の誌面をアプリで実現
いきなり原点に立ち戻るけど、紙の辞書と、電子辞書(専用デバイス含む)のそれぞれのいいところを考えてみよう。先に電子辞書の方を考えると、やっぱりいちばんの利点は「検索が速い」ということだね! 目的の語句を入力する1秒前後の手間で検索することができる。紙の辞書だと、目的の語句まで辿り着くのに10秒近くかかってしまうこともある。つまり、電子辞書は検索性が高い。
でも翻って考えると、それはそのまま紙の辞書の利点となる。紙の辞書のページをめくりながら探していると、目的の語句以外のものが目に入る。それは関連しているものだったり、まったく違うものだったりするけど、そこから新たに調べたい語句を発見したり、思いがけない発想が広がったりするでしょう。つまり、紙の辞書は一覧性が高い。
『大辞泉』アプリの新しいバージョンを開発するにあたって、この一覧性という特性を、どうにかして取り込みたかったんだ。いろいろ考えたけど、結論はシンプルだ。『大辞泉』に掲載されている語句は30万語超。これを誌面としてアプリの画面に表示すればいいんじゃね?! 30万語を一気にスクロールだ!
新しい『大辞泉』アプリを起動すると、「あ」から始まる辞書の誌面が表示される。普通の本を読むのと同じ感覚だね。スクロールすると、次の語がどんどん表示される。シンプルだ! このまま30万語読んでいくこともできるぜ!
従来のバージョンでは、からっぽの画面が表示されていたんだよね。検索フィールドがあって、そこから入力して下さい、と。それだけでは、一覧性を高めることができない。紙の辞書を引くときは、目的の語句にたどりつくまでの「寄り道」が楽しかったよね。それを電子で実現したのが、この誌面表示機能だ。
辞書の「つめ」もある! つめをスワイプしてどんどん潜っていこう
とはいえ、辞書を引く時に「あ」から順番に探していくことはないだろう! まぁ、辞書を先頭から全部読んでみるのも、楽しそうではあるけど。普通は「つめ」を使うよね。辞書の「小口」にある、あ、い、う、…、と続く、見出し語の最初の一字が書いてあるやつだ。『大辞泉』の「小口」の項目に図があるから、それを載せておこう。
この、つめから最初の一字のページに飛んで、そこから、あい、あう、あえ、…、さらに、あえあ、あえい、あえう、…、っていう感じで絞り込んでいくよね。
これをアプリで再現してみた! 誌面をスクロールするとき、ちょっと速い速度でスクロールさせると、画面右側にスライダーが表示される。これが、つめとなるんだ。このスライダーの上で指を動かすと、そのページまでジャンプする! この動きはとても素早い。
さらにさらに! これはアプリならではの機能だが、つめを深くしていくことができる。たとえば、つめのスライダー上で「サ」の文字をタッチしているとするでしょ。そのまま、左にスワイプする。すると、つめが「サア、サイ、サウ、…」というように変化する! 一つ下の階層に潜るんだ。
そこから「サク」をタッチしたとしよう。ここからさらに! もう一階層潜ることができる。「サク」から左にスワイプするとつめは、「サクア、サクイ、サクウ、…」に変化する。
これがあれば、30万語の中を自由自在に移動できるぜ! もちろん、一覧性は保ったままだから、移動先で前後の項目をチラチラと見ることができるよ。
柔軟な日本語組版。縦書きも横書きも段組も
国語辞典の誌面といえば、小さい文字がビッシリと詰め込まれたデザインが特徴だ。膨大な情報を詰め込みながらも、見やすさ読みやすさに配慮した、日本語組版の極地とも言える。特に紙の『大辞泉』は、第一版では伝統的な縦書き、第二版では時代の潮流に合わせて横書きを採用するなど、組版の改良に意欲的だ。
では、電子である辞書アプリはどうすべきか? もちろん! 全部入りだ! 縦書きも、横書きも、段組も! 情報を詰め込んだ緻密な誌面も、大きい字と行間を広げたゆったりとした誌面も、均整のとれた美しい組版で実現すること。それが辞書アプリとしての使命であろう。
まずは、さまざまな組版による、誌面表示をご覧あれ。
この柔軟な表示はどうよ! iPad Proでも、iPhone miniでも、最適に美しく表示できるぜ!
紙の辞書とも並べてみるね。これが第一版モード(縦書き、段組、明朝)。
こちらは第二版モード(横書き、段組、ゴシック)
どやぁ! 字が小さくて読むのが大変なところまで完全再現だ!
こういった組版を実現するために、新バージョンの『大辞泉アプリ』では、日本語レンダリングエンジン「Sayori Extreme」を新たに開発したんだ。その機能は、
縦書き、横書き変更可能
段組によるページ分割
ルビ対応
回り込み対応
外字対応
極大文字数のレイアウト可能
などだ。このレンダリングエンジンの新規開発によって、上述のような組版と誌面表示ができるようになったんだ。ちなみに「極大文字数」というのは、『大辞泉』に載っている語句数は30万語超。文字数にすると、その数十倍ということになる。なので、数百万文字のデータ、サイズにして数GB、を高速レイアウトして表示するのを目的として開発した。
「最適」な検索を
もちろん辞書アプリの利点である、検索機能も大きく強化された。辞書アプリで語句を引く時、どうする? いちばん単純なのは、引く目的の語が分かっているときだ。この場合、目的の語を入力してもらって、それで見出し語を検索すればいい。でも語句をぼんやりとしか覚えていないときもあるだろう。またはある語で終わる語句、たとえば「○○ジャパン」という語を引きたいかもしれない。さらに見出し語ではなくて、語釈本文の中を検索したいかもしれない。っていうか、Googleみたいに、適当な言葉を入れたらいい感じで返してくれよ!
そんなある意味真っ当な要求に答えるために、新しい『大辞泉』アプリでは、「最適」検索モードを導入した! 最適検索では、入力された言葉に対して、いい感じで検索してくれるモードだ。Googleと同じ感覚で使ってくれ!
最適検索の「いい感じ」というのは具体的にいうと、見出し語の完全一致、前方一致、後方一致、そして本文検索を組み合わせたものになる。これらの見出し語検索も、それぞれモードを指定することができるんだ。これらを駆使することで、探したい語句をすぐに見つけたり、特定の条件にあう語句を一覧表示できたりするんだ。
『大辞泉プラス』と『日本の歳時記』に自在に切り替え。串刺し検索も
『大辞泉』アプリに搭載されている辞書は、『大辞泉』だけではない。人物・企業・商品といった固有名詞に特化した『大辞泉プラス』。そして季節の言葉を解説し、例句も豊富に掲載した『日本の歳時記』だ。
新しい『大辞泉』アプリでは、これらの辞書を簡単に切り替えることができる。画面のタイトルとして表示されている辞書とそのアイコン。そこをタップすると、書棚が出てきて辞書の一覧が表示される。ここから選択すれば一発で切り替わるよ! もちろん、それぞれの辞書でそれまで表示していた箇所を覚えているから、素早く切り替えながら読み続けることもできる。
そして検索も、まとめてできるぞ! 検索設定画面で、対象となる辞書を複数設定できる。全部選択して検索すれば、すべての辞書の検索結果を混ぜ合わせて表示することができるぞ! 夢に見た、辞書の混合表示だ!
『大辞泉プラス』と『日本の歳時記』は別売りなんで、別途購入してもらう必要がある。それぞれアプリ内課金で購入する頃ができるぞ。でも未購入でも、見出し語を確認したり、検索することはできるんだ。 気になる語句が載っているなと思ったら、購入してね。
ブックマークに階層追加
ブックマーク機能も便利になった。まず語句をブックマークする方法。それぞれの語句の下にあるブックマークボタン。これをタップするだけ。これでブックマークされる。もう一回タップすればブックマーク解除ね。ブックマーク画面には、登録した項目が誌面と同じ組版で並んでいる。これであなただけの誌面が作れるね。
ブックマークが溜まってくると、その並びを変更したくなるね。そのときはドラッグアンドドロップだ。項目を長押しすると、ドラッグして動かせるようになる。これで好きな順序に並べ替えてくれ。
さらに項目が増えてきたら、次はフォルダを作ろう。フォルダを作ることで階層的に管理することができる。フォルダの中に入れるには、やっぱりドラッグアンドドロップだ。
たくさんの項目をまとめてブックマークしたり、フォルダにまとめて移動したいときは、選択モードを使おう。メニューから「選択」を選ぶと、選択モードに切り替わる。ここで選択した項目は、まとめて操作することができるぜ。
辞書とのつきあいを一変させる「タグ」
ここまで紹介した機能は、前のバージョンからの順当な強化といったところだ。次に紹介する機能は、まったく新しいものだ。冒頭に掲げたコンセプトの2つめ、「読んで、編纂して楽しむ」を形にするものだ。これは、あなたと辞書アプリの関係を一変させるものになるかもしれない。それが、「タグ機能」だ。
辞書を読んでいると、ある項目とある項目になにかの関係があるときがあるよね。類似語だったり、対義語だったり。またはもう少し大きいくくりで、好きという感情を表す言葉だったり、あるいは難読の四字熟語だったり。さらには、日本にある山の名前だったり、鳥類だったり、神話に出てくる神々だったり、民族の名前だったり、世界遺産がある場所だったり、文学賞の受賞者だったり、ポケモンの名前だったり。辞書にあるさまざまな項目は、他のさまざまな項目との間に、ありとあらゆる関係性がある。それをまとめておくのが、タグ機能だ。
新しいバージョンの『大辞泉』アプリでは、すべての項目に「タグ」を付けることができる。タグはなんでもいい。たとえば、「クラシックの作曲家」というタグを作ってみよう。このタグを、「バッハ」とか「ベートーベン」とか「モーツァルト」とか「サティ」とか「ケージ」とかの項目につけていく。そしてそれをタグ画面で表示しよう。これで簡易作曲家辞典のできあがりだ。
一つの項目に複数のタグをつけてもいい。タグの中にタグを入れて階層的にしてもいい。タグは自由だ。これはあなたが言葉にどんな興味があるかを体現するものだ。
作ったタグは、外部に公開することができる。この新バージョンを公開した時点で、いくつかのタグがすでに公開されている。ここに、あなたの作ったタグを付け加えることもできるよ。
これまで辞書というものは、項目が一列に、まさに辞書順で並んでいるものだった。タグは、これに多面的な切り口を与える。辞書との新しい付き合い方を提案するものだ。
これは新しい地球儀か? タグを画像や地図で表示
タグでまとめた項目は、画像画面や地図画面で見ることもできる。たとえば「源氏物語」の項目を表示させれば、絵巻物が広がる。
地図画面でも表示してみよう。「国と地域」を表示すれば、地図上に国旗と国名が広がる。これはもう、地球儀だ。さらに「海」や「山」のタグ、さらには「世界遺産」のタグなど、さまざま情報を地図の上に広げることができる。もちろん、それぞれの項目をタップすればその語釈が表示されるよ。
言葉を辞書の美しい組版で、ビシッと共有
新機能たくさんでお腹いっぱいかもしれないけど、まだあるぜ! 調べた語句を他の人に教えたい時に使う、共有機能だ! それぞれの語句の下に並ぶボタンの3つめ、これが共有ボタンね。これをタップすると、語句を他の人と共有することができる。共有する画像は、新バージョンの『大辞泉』アプリの特徴である、美しい組版でデザインするぞ!
共有画面では、画像のデザインをカスタマイズすることができる。スタイル、比率、色味(ダーク、ライト)、画像の選択、文字サイズ、縦書き、横書き、フォント、などなど。ここで作った画像は、Twitterでツイートしたり、LINEで送ったりできるよ。今の気持ちにふさわしい言葉を、美しい組版でビシッと共有してみよう!
『大辞泉』アプリ新バージョン4.0は、現在公開中。下記のリンクから購入できるよ。
iOSアプリ『大辞泉 4.0』
動作環境:iOS 15.0以降
価格:2,080円
アプリ内課金あり
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