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ねい
2018年12月29日 21:11
年の瀬の東名高速道路の渋滞は、絢爛たる川だった。 フロントガラスの半分より上には、世界が逆さまでない隠れた恩恵を覗かせるように、底のない暗い空がまたがる。 さらに三分の一の高さには、光る橙を灯した一本草が並び、宙にもう一枚の滑走路を浮かべるも、そこを走る車は一台も見えない。 誰も走れない滑走路の下で、ようやく、尻に赤を灯す車たちが等間隔に流れていく。 これほどの赤い蛍を見る
2018年8月11日 13:12
夕方から地元に帰る。兎にも角にも、はやくかえりたい。帰ったところで、あの屋敷は変わらないのだけど自分の部屋に帰りたい。あの中でねむりたい。 そんなこんなで嬉々とパッキングし今回のお供を真っ先に詰める。 なにはなくとも、お供だけはここから連れて行く。 とくに上二冊と左下一冊、右下の彼は捕捉役。 ここ最近猛烈に、おかしいくらい地名にハマっている。 なぜその名と
2018年7月30日 08:20
ハウルの動く城が放映されるようで今から意気込んでいる!なんたってハウルは、夫と結婚する布石のような作品だからだ。 当時大学生だったわたしは、当時の彼とこの映画を観て、あぁわたしの結婚相手はこの人しかいない!と座席で思わず前のめりになるほど感動した。 空がうまく歩けない人の手を取り、歩き方を教えてくれる。ワガママでコダワリが強くて頑固で信条を持ちどこまでも人に優しく、同じくらい深