南ざる

スポーツとジェンダーを研究するため会社を退職して某大学院で学んでいます。 自分の研究日…

南ざる

スポーツとジェンダーを研究するため会社を退職して某大学院で学んでいます。 自分の研究日記です。

最近の記事

“はじめて学ぶスポーツ政策“のメモ

 今日は「はじめて学ぶスポーツ政策」の中で頭に入れておきたいメモ。参考図書は、『時本・田畑・内藤(2019)「はじめて学ぶスポーツ政策」(株)アイオーエム』 日本のスポーツ行政組織1878年 文部科学省直轄 体操伝習所 創設 1900年 文部省大臣官房 学校衛生課 新設 1913年 学校体操教授要目 制定 1916年 地方体育運動職員制 交付 → 体育(スポーツの普及) 全国の自治体に体育運動主事が配置されたことにより、地方からも体育スポーツが普及 1924年 文部

    • ITOのジェンダーバランス トライアスロン

       パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会にて、トライアスロンは国際組織の中で初めて「テクニカルオフィシャル(審判)の男女比率を50:50」および「オリンピック・パラリンピック代表の国内競技連盟(NF)43団体全てから選出」を成し遂げた。 詳細  パリオリンピック・パラリンピックの国際テクニカルオフィシャル(ITO)のうち50%を女性が占める結果となり、スポーツ界のジェンダーバランスをリードした。2020東京オリンピック・パラリンピックの女性TO 47%もかなりジェ

      • 社会文化・スポーツ文化の変容と女性スポーツ参加の関係性について

        今日は『スポーツ社会学講座③ 現代スポーツの社会学』(菅原禮監修、佐伯聰夫編著)を題材にして、どのように女性がスポーツに参加するようになったのかを書いてみたいと思う。なかなか文章だけでは内容を整理するのが難しかったため、自分なりに図にしてみた。 参考文献:佐伯聰夫(1994)『スポーツ社会学講座③ 現代スポーツの社会学』不味堂出版、pg.208-217。 スポーツ文化の性質スポーツ文化は2つの性質があるとされている。 道具的価値: 大きな志、粘り強さ、競争心、席に感、創造性

        • “Women’s Sports”から読み解くスポーツとジェンダーの関係

           今回は Jaime Schultzの”Women’s Sports”を読み、スポーツとジェンダーの関係を記述していく。参考図書は、Schultz Jaime, “Women’s Sports”, New York City, Oxford University Press, 2018. スポーツとジェンダー フェミニン、女性に適したスポーツといえば、新体操、テニス、フィギュアスケートなどが挙げられ、その多くは最低限の接触に抑えられた個人スポーツであり、美やアーティスティッ

        “はじめて学ぶスポーツ政策“のメモ

          日本におけるスポーツへの女性参与

          研究のために読んでいる図書の重要部分を記録するために書き写します。 図書は、江刺正吾(1992)『女性スポーツの社会学』不昧堂出版、です。 すべて図書からの引用です。 戦前における女性のスポーツ参与戦後における女性のスポーツ参与女性のスポーツ観戦前(1920年代) 日本と世界の潮流を追うと、戦前は女性がスポーツに参与することを否定的に捉えられることが多かったが、戦後は肯定的に考えられるように変化した。江刺(1992)によると、「(省略)スポーツそのものの変化よりも社会にお

          日本におけるスポーツへの女性参与

          World Triathlon (旧 International Triathlon Union) 設立の歴史とガバナンス

          はじめに トライアスロンは1974年に初めてアメリカで大会が行われ、正式にオリンピック種目になったのは2000年シドニーオリンピックからであり、比較的新しい競技である。さらに、初回開催から男女ともに実施され、コース、距離、ルールもすべて同じだ。オリンピックの開催初期は女子の出場が禁じられ男子のみ競技に出場できたこと、女性の種目は設けられていなかったスポーツは多々存在した。トライアスロンは新しいスポーツであり、ジェンダー運動が盛んであった時代に誕生したことも大いに関係している

          World Triathlon (旧 International Triathlon Union) 設立の歴史とガバナンス

          女性アスリートのサポート トライアスロン

          少女、女性アスリートのサポート体制 「少女、女性アスリートはサポートが必要である」もちろん少年、男性アスリートにも同じことが言えることだ。なのに日本政府は女性を支援する特別な方針や規定を策定して不公平であるといった考えもあるかもしれない。しかし、実体験を通して、特にスポーツの分野に関しては生理学の視点も含む女性特有の問題や課題が存在していることから公平性を保つためにも特別な支援が必要だと考える。これは平等ではなく、公平性といった観点である。  そこで一部ではあるが、トライア

          女性アスリートのサポート トライアスロン

          国際競技団体とジェンダー トライアスロン

          World Triathlonとジェンダー World Triathlonは、世界中のすべての競技レベルおよびエイジカテゴリーにおいて、Diversity, Equity, and Inclusion (DEI)を推進することを目的に掲げている。また、女性参加の促進、世界中のスポーツ発展のサポート、および指導者向けのジェンダー平等を促すプログラムを提供している(World Triathlon, 2023). EDI(Equity, Diversity, and Inclu

          国際競技団体とジェンダー トライアスロン

          中央競技団体とジェンダー トライアスロン

          自分自身が大変お世話になったトライアスロン界におけるジェンダーの取り組みはどのようなものか。現役の時はこんなこと考えもしなかったので、この機会に感謝。トライアスロンがとてもジェンダーフレンドリーであり、考え方も最先端を行っていることに驚き、誇りに感じた。 ワールドトライアスロン(WT)女性の取り組み ITU設立以来、以下方針として女性の権利確保に努め、大きな成果を上げてきた。 女性を称するアワード 女子委員会優秀賞(Women’s Committee Award of

          中央競技団体とジェンダー トライアスロン

          研究日記

          小さい頃はサッカー、バレー、テコンドー、クロスカントリー、中高は陸上、大学はトライアスロンとスポーツは私の一部と言っても過言ではない。見事に経験してきたスポーツが全て個人スポーツなのは性格という言葉に留めておく。自信が全くない自分にスポーツはそれを与えてくれた。スポーツで成績を残せた時、男子に勝てた時、周りから褒められた時、それは私の自己肯定感にも繋がった。 4年前インドに行った時、インドの学生とラグビーをする機会があった。インドでは女性がスポーツをすることに抵抗を持つ人が