知ってるようで知らない言葉 〜濃縮還元(後編)〜
こんにちは!
前田です。
前回、「知ってるようで知らない言葉」をテーマに記事を書きました。
そのままでも生活に支障はないかもしれませんが、正しい意味をしることで、新しい世界が開けるかもしれない。
そんな小さな興味をきっかけに、第一弾として、「濃縮還元」について調べてみました。
調べてみると、やはり自分が思っていた以上に、そこには多くの世界が広がっていました。
特に学びだったのは、濃縮還元は、人類の知恵の結晶のひとつだったということです。
先人たちに感謝ですね。
今回はその続きで、「濃縮還元したことで、元になったフルーツの栄養価はどうなるの?」という疑問を解決していきます。
熱を加えて5〜6倍に濃縮させて冷凍で保存する濃縮還元、これとは反対に素材をしぼっただけのシンプルなストレート製法。対極したふたつの製法によって作られた飲み物、含まれる栄養には違いがあるのでしょうか。
濃縮還元は熱を加えている分、ストレートに比べると消化や代謝アップに必要な酵素、そしてビタミンCや食物繊維といった栄養素が失われがち。また、濃縮したペーストに水を加えて還元するとき、砂糖を入れるから少し糖分が高めです。とは言え、そこまで驚くような大差があるわけではないようです。
ちなみに、金額面においてはかなりの差があります。濃縮還元タイプの飲み物1,000mlで200円前後に対し、ストレートタイプのジュースは400円前後と、200円の開きが。製法によって、ここまで金額も変わるんですね。
やはり手を加えている分、栄養価の一部は失われるようですね。
しかし、そのデメリットを補ってあまりあるコストパフォーマンスに驚きました。
ではなぜ、世の中の100%ジュースはすべて濃縮還元タイプのものではなく、ストレートタイプや生ジュースタイプがあるのでしょうか?
そこには、行動経済学という学問で研究されているくらい、人間の面白い一面があります。
行動経済学では、「何かを得た時にかかった費用(コスト)と、そこから得られる価値(リターン、喜び)は、単純な正比例ではない」と言われます。
(引用元:https://studyhacker.net/prospect-theory)
プロスペクト理論とも言われますが、身近かな例でいうと、年収2,000〜3,000万円を超えてくると、物欲が無くなってくるそうです。
また、1万円のワインにくらべて、100万円のワインは100倍美味しいのか?という議論も、よく耳にします。
このように、物の価格と価値には複雑な関係があるのです。
倍のコストを払ってでも、ストレートタイプや生ジュースタイプを好む人もいるので、これはどちらが正解・不正解というよりは、マーケットの違いと言えるでしょう。
なのでここでは平等に、ストレートタイプ、生ジュースタイプのメリットも触れておこうと思います。
(ちなみに生ジュースとは、フレッシュなみかんやりんごをその場でしぼった完全なる生絞りドリンクのことです。)
・美白効果
オレンジジュースに含まれる豊富なビタミンCには、メラニン色素の沈着を抑えてシミを目立ちにくくする美白効果が期待できるんです。また、コラーゲンづくりにもひと役買ってくれるから、肌のハリ・弾力にも効果あり。
・便秘解消
リンゴジュースに含まれる食物繊維には、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。腸内の環境がクリアになれば、口臭や体臭を予防できたり、ニキビや吹き出物などの肌トラブルを食い止める効果が期待できるんですよ。
・アンチエイジング効果
グレープフルーツジュース特有のあの苦味の正体は「ナリンギン」と呼ばれるポリフェノールの一種。このポリフェノールには、活性酸素の働きを抑えて肌の老化を食い止めるアンチエイジング効果が見込めます。
このように、ジュースの元になったフルーツの栄養素を、そのまま取り込みたいのであれば、やはりストレートタイプや生ジュースタイプが適していますね。
最初は気軽な気持ちで「濃縮還元」について調べてみましたが、そこから行動経済学にまで発展し、見事に世界が広がりました。
これらかも、いろんなものに新鮮な好奇心をもって、学び続けていこうと思います。