【観た/2023年4本目】映画「ザ・メニュー」観ました。
【観た/2023年4本目】映画「ザ・メニュー」観ました。
【感想】
情熱の向こう側の狂気、さらにその向こうに突っ走る、密室サイコスリラー!
まず脚本、ストーリー。
孤島(絶海とまでは言えない)での豪奢なレストラン、といった設定だけでもまずザワザワ、、。
そこにあからさまに現れるカリスマシェフと、無機質なスタッフたち。
もう何も起こらないわけがない、というフリをしっかりフリより大きくオトす。
サイコものとして必要十分な設計になっています。
そして演出。
緊迫感と狂気のバランスへの配慮はまるで一皿の料理のよう。
徐々に高まっていく恐怖への旅路はまるでコース(メニュー)のよう。
ラストシーン、それはまるで口の中でしずかに溶けていくデザートのよう。。
レストランという舞台設定を十二分に活かしています。
難点を上げるとすれば
・全体的に説明不足。特にラストにかけての選別の意味が伝わりにくい。
・ストーリー的にも最終局面がわりと早めに予測がつく。
・シェフのカリスマ演出の妥当感に疑問がある。
と、わりと大きな問題が有りました。
さてさて。
僕もあなたもやはり欲を持っていて、それは時に強欲と呼ばれ。
気づけば、他者から何かを奪い、傷つけることも。
意識的なのは大罪で、無意識なのはもっと大罪。
これらは人の持つ欠点だと言えるでしょう。
ただ、それらを断罪するのも、また同じ人であるのもまた皮肉なこと。
今作で狂気の向こう側に諦観を置いたのもまた示唆的だなと感じました。
【価点・つけるとしたら】
☆3.8です。
アーニャ・テイラー・ジョイの存在感でちょっとおまけです。