【観た/2023年58本目】映画「ヒトラーのための虐殺会議」観ました。

【観た/2023年58本目】映画「ヒトラーのための虐殺会議」観ました。


【感想】
これは決して「凡庸な悪」ではない!!絶対に目をそらしてはいけない「本物の悪」だ!!

まずストーリー。
1942年の冬に実際行われた「ヴィンゼー会議」を元に作成。
官僚、政治家、軍人らが顔をそろえ、腹を探り合う姿を淡々と映し出しています。
互いの合理性を主張しあう、議論の精密さはまさにビジネス会議。
真実味、リアルさを追求した構成です。

そして演出、演技。
終始寒々しい外=戦争の世界と、ぬくぬくとした中=特権階級を意識させる。
実際に行われたであろう会話の端々のニュアンス、やりとりの温度感など役者陣のなりきりぶりも見事。
見た目はシンプル、味付けはしっかり塩味の効いた、といったところです。

ただ、やはり題材が題材。
ほぼテーマ的にも他作で語り尽くされている内容なので新規性に薄く。
また、シンプルすぎて単調に感じ。
もうすこしエンタメ要素、盛り上がりをつけても、、とは感じるところです。

さて。
「ユダヤ人虐殺」です。
これがヒトラー単独ではなくエリートの手によって効率よく実行されたこと。
いつ、どこで、誰と話しても怒りと恐怖、プラス吐き気しかでてこない。
全体主義の恐怖、と一言で済ますのも簡単ですが、果たしてこの悲劇から何を学んだのか。
翻って現代の難民問題、ロヒンギャやシリア一つ二つとっても「人道」は蔑ろ気味に感じます。
80年たっても学べない。
このことこそが恐怖で、怒りを感じる。
他山の石ですらない、我が身の「会議」であったように思いました。

【評価・つけるとすれば】
3.8です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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